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ファントム(赤坂ACT 11/5 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

樹里ぴょんと篠井さん目当てでチケット買って、樹里ぴょんと篠井さんへの愛が深まっただけの公演でした。あ、たかおの良さもちょっとわかった。

樹里はカルロッタ役が楽しそう。イキイキ。戯画的な表情や歌い方、それを滑らせない実力。幕間に「カルロッタ上手いね」と聞こえるたびに「樹里ぴょんなんだから上手いに決まってるじゃん、ふふん」「キャリエールやったんだぞ」と自分のことでもないのに誇らしい。正直、歌では一人上手すぎて浮いてたぐらい。

篠井さんのキャリエールにはなぜか感情移入(いつも花組新公映像見るときは、あんなパパがほしい、という視線なのに(笑))。美意識が強くて、自分の罪を隠したかった。そういうプライドの高さがある。キャリエールって、ほんとはズルい人だよね。そして、歌える! ずっと静かなのが、最後に感情を出すから、また泣ける。「エリックかわいそう」ではなく、なんと「キャリエールかわいそう」で泣いた。たたずまいも一人クラシックで、この人のまわりだけ、パリオペラ座だった。

大沢たかおは体は大きいのに子供っぽくて、どこかいびつで、ああ、ファントムをたかおでってだけで正解だと思った。クリスティーヌにふられたあとの子供のような泣き方が切ない。歌は歌謡曲歌いだが、私は気にならない。西城秀樹に声が似てる?

と、なかなかいいメンツなのに。ヒロインが下手すぎて、芝居がとまってしまうのだ。これだけ下手な人を初めて見たかも。きれいだし、スタイルもいいんだけど(モデルだから当たり前か)、舞台の上では冴えない。芝居も、棒読みというほどではないんだけど、舞台で素の現代の女の子のままで動いてしまっている。歌は、とにかく声が出てない。マリコさんもタニもOKの、歌に甘い私がそう言うのだから、相当なもんだ。歌か芝居、どっちかが良ければなあ。アイドル歌いでも(私は)許容するんだけどなあ。本人もつらいと思う。

なので、演出意図もよくわからなかったのだが。いろいろ宝塚版とは違う。

ファントムが最初きちゃない。なまの男だし。だから、あ〜、ひきこもりのオタクの話だよね…という見方もできちゃう。

カルロッタは支配人。かなり主体的。だから元男役がいいんだろう。悪い人だけど、見世物的なセンスはある、ということになってた。

ほかにも、ジャンクロードやルドゥ警部、アラン=ショレにもちょっとづつ書き込みがあったり。ショレは石炭王で芸術はわからないけど憧れてるんだって。なるほどね。ただ彼ら、宝塚みたいにはキャラが立ってなくて残念。

シャンドン伯爵は顔に色気があった。コンテストの場面でハモってた二人上手かった(←宝塚ではシャンドン伯爵とキャリエールのハモりだったけど、今回はアンサンブル)(樹里トウコがケミストリーって言ってたとこね)。そういえば、宝塚ではシャンドン伯爵がクリスティーヌを探す場面で歌うソロ、シャンドン伯爵とクリスティーヌのラブラブデュエットなんだね。宝塚ではファントムとのラブに重みを置きたいから変えたのか。

ベラドーバが麻薬をやってたとか(宝塚では堕胎薬)、すみれコードにひっかかりそうなところはちょこちょこ変えていることがわかった。

そうそう、地下こそ光、地上は闇、エリックこそ光、自分(キャリエール)こそ闇、というような、光と闇の比喩が意図的に使われてた。引きこもりでオタクで、凶暴で、だけど本当は心は美しいファントム。そのテーマを、クリスティーヌを介して受け取る芝居だと思うのだが、クリスティーヌがあちゃ〜だったので、残念だった。


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