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トラファルガー / ファンキーサンシャイン(東京宝塚劇場 7/18 16:00) [観劇メモ]

ユウヒがパパだった! 僥倖! 愛月ひかるのつたない演技も、義理の息子ゆえの頑な感が出てていい。思わずウルウルしちゃった。そして最後、れーれになって、ユウヒさんのあの大きな肩幅にとびこみたーい。(捨て場面じゃないの? という声が聞こえてくるけど、気にしなーい)

主役二人が不倫でも、私は別にOKです。小悪魔ではすっぱなすみかと、武骨でシャイなユウヒの組合わせに、めっちゃときめく。この二人が惹かれあうのは、理解できる。

でも、みっちゃんがいい人でかっこよすぎるし、アリスがかわいすぎて、二人の行動を「おいおい」と思ってしまうのは確かだ。タカラヅカの不倫ものでは、一応、夫も浮気してるとか(グレートギャツビー)、夫チョー情けないけど最終的には夫のもとに戻るとか(ベルサイユのばら)、夫登場しないとか(ガラスの風景)、それなりに情状酌量の余地があったんだけど、今回はそれがないから、主役二人の行動がただのわがままに見えがち。もっとそれぞれの配偶者を悪くしておけばいいのになあ。でもスターさんに役をふると、どうしてもこうなっちゃうんだろうなあ。これは、タカラヅカの限界なのかも。美風舞良のお母さん役は、すみか親子が下品なお育ちだって示してて、いいんだけどね。

そして、「私たち似た者同士」っていうのが全く理解できない。あとで友人に「二人とも仮面をかぶって生きているって意味なんだよ」と言われたが、それは全く読みとれなかった…! 二人とも、自分の世界でイキイキしているように見えたよ? 性格の正反対なもの同士惹かれあってるように見えたよ?

「ぬくもりー♪」が肉欲の比喩だとも教えてもらって、それも全く読みとれなかった…! それなら、もっとそれぞれの夫婦関係が冷めきっていてさみしい、っていうふうにしないと、わからないよ? 

それにしても、装置がしょぼすぎる。トラファルガーの海戦がどんなにかっこいいのかと思ったら、何もないじゃーん。エルアルコンのほうがまだ屋台崩しみたいなのあったよね? よっぽどお金ないの??? かなしい。これじゃあ、タカラヅカ以外の舞台とさして変わらないぢゃないか。せめて、ショー作家なんだから、人の出入りでなんとかかっこよく見せられないのかサイトー君。オーレリーがネルソンを殺すとこ、どんだけ遠くから撃つのかと思ったら、あの階段かよ!

悠未ひろの情けない役、案外いいね。でかい図体でへろへろしてるのが、好感もてる。みー、無駄にたくらんで、ちー、無駄に怨念メラメラで、だい、無駄に美しい、この無駄なキャラ立ちがさすがサイトー君。カチャ様がちょっと男役らしい動きができてた。外ハネ髪型だと、一瞬(一瞬だけよ)リカちゃんに見えたよ…!(でも衣装はゆかりちゃん)鳳樹いち、風羽玲亜、天玲美音あたりの役って、歴史上の人物? 知らなーい、でもみんなにそこそこ役ついてていい感じ。月映樹茉ちゃん、最初の銀橋での台詞もっとがんばれー、芝居心があるのだから、がんばってほしいなりー。ダブルトリオに入っててうれしい。

音楽なかなかいいね。ラブソングでうっとりする。(と思ったら、寺嶋さんじゃなくて、太田先生なのか。すごいなー、デビューしてまだ5年ぐらいなのに)

ナポレオンがちゃんとナポレオンで、すごいね(何言ってるんだかよくわからん)。らんとむって、徳川慶喜といい、どうしてこう、位が高いけどちょっと笑っちゃうような役を、大真面目に成立できるんだろう。五峰さんのジョゼフィーヌもねー、もうねー、無駄に色気むんむんで面白すぎる。ただ、ナポレオンの衣装は豪華だったが、ジョゼフィーヌの衣装が2着しかないって、どういうことですか。

ストーリーとしては適度にわかりやすく、適度に複雑で、『エルアルコン』みたいにとっちらかってなくてよかった。ネルソンが死ぬのが結末ってのがわかってるしね。テンポはやくて、飽きない。だけど、ずーっとテンション高いまんまで疲れる。逆にメリハリがない。まあ、これが斉藤クオリティだ。

ただ。斉藤作品がキャラだけで出来ててテーマが無いのはわかりきってる。そこに無理やり「愛するもののために闘う」とか言い訳を持ちこむのはおかしいと思う。そんなん、アメリカが戦争に使うようなこと言いだして、興ざめ以外の何ものでもない。戦いは戦いだろう。愛を戦いの言い訳に使うな。こういう詭弁には本当に腹が立つ。今思うと、カラマゾフは原作に深いテーマがあったから、斉藤君テイストとあいまって、面白かったんだよね。そうでないなら、無理にテーマを設定しなくていいよ。

石田のショーはゆるい。曲のテンポが、もう実務的に遅すぎる。昭和テイストの曲でも、テンポは今のテンポで演奏してほしい。

太陽をテーマにした曲ばかりを集めるっていうのは、なかなかいいと思う。ただ、ユウヒに太陽はやっぱり似合わないね…。ディナーショーだったらいいかもしれないけど、ショー一本は意外性だけでは成り立たない。やっぱり陰の人でしょ、どう考えても。長いかどうかわからない任期、もっと耽美なショーをやらせてあげたい。

らんとむのダンスはすごすぎる。あの人の肩の関節ってどうなってるんだろう。みっちゃんの歌謡ショー素敵すぎる。癒される。もっと聴きたい。

中詰めのフォークロアな衣装がいまどきの流行りっぽくて、よかった。あと、どの場面だったか、後ろの太陽の模様がきれいだったな。

また思いついたら追記します、とりいそぎ。。。

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信仰を失いかけた信者の毎日(4) [音楽学校裁判]

裁判終結後、初の東京宝塚劇場。ちょっと居心地が悪い。まるで、ディープなヅカファンになる前の、年に1〜2回観ていたころのような感じ。興味深いことが行われているんだけど、自分とは関係ない、と感じてしまう。でも、当時と違うのは、私はこの舞台をけっこう知っているということ。花影アリスが退団することも知っているし、研2の生徒だって見分けられる。でももう、私の居場所ではないのかも。さみしー。

こんな気分の私の頭の中に響く台詞は、

「私のイザベラも死んだ…!」 byフェルナンド@バレンシアの熱い花

いや、イザベラ生きてますが(笑)と客席全員が突っ込んだあの台詞。復讐が終わり、黒い天使という仮の姿をやめるとき、身分違いの恋もあきらめなければいけない。だから、抽象的な意味で「死んだ」って言ってるんだよね。生きてるけど、自分のイザベラはもういないの。そこで上演されてるけど、私のタカラヅカはもうないの。かなしすぎる。

でも、めそめそして負のオーラをまき散らすのもよくないから、なんとか元気にならないとね。

こんな気分の私の頭の中に響く歌は、(←悲劇のヒロインごっこ)

「顎で受け止めて、ニヤリとしてからー、スマーイル」byサリー@Me and My Girl

大好きなビルと一緒にいたいけど、ヘアフォード家に自分の居場所はない。邪魔ものなんだって。世界が違い過ぎる。タカラヅカを観たいけど、価値観が違い過ぎる、世界が違い過ぎる、最初っからわかってたのに。

ただ、サリーは上流階級の常識を身につけてハッピーエンドになるけど、私はタカラヅカの常識を身につけようなんて、じつはこれっぽっちも思っちゃいない。タカラヅカの<組織>が、企業として当然の一般常識を身につけるべきだと思うから。

こんな気分の私の頭の中に響く台詞は、(←まだ続く、悲劇のヒロインごっこ)

「私は誰も裏切らなかった、人の裏もかかなかった」by項羽@虞美人

いや、まあ、ズルしたり、なまけものだったり、自分、相当ダメ人間ですが、でも、少なくともネット上で96期生を口汚くののしったりはしていない。悪いことしたら謝る。なのに。。。「誰も〜、何も〜、しんじーられないー」ですよ。銀橋の上手で「生き残った者こそ、哀れ、か…」とつぶやくのは、のちのち反省した96期生ってところか?

だから、私には、もうできることなぞないのだが。

「祈ることよ」byアイーダ@王家に捧ぐ歌

「ひとつだけできることがあるわ、祈ることよ。」そうだね、それぐらいしかないね、できることは。愛し合うものが死ななくてもいいように。無実の生徒が退学しなくてもいいように。清く正しく美しい世界がいつか実現するように。

そして、あの<組織>に属している、心ある人が、少しでも幸せでいられますように。

私が本格的にヅカファンになったのは、2002年、1作トップでもけなげに笑顔で頑張るブンちゃんと、あんなに上手いのに、「ソロ一曲まるまる歌えてうれしいです」とけなげに語る専科の方々のエンカレッジコンサートのおかげなんです。この2つがなかったら、自分、ここまではまってなかった。キーワードは「けなげ」です。(今回の事件で、一番けなげだったのは原告ですが)

腐った組織の中で、今回の件に心をいため、それでもけなげに頑張る人たちはいると思う。という私は懲りないバカなのかな。いや、そんなことはないはず。辞めたほうが懸命かもしれないけど、まだ今は在団してる、けなげな生徒さんや、先生たち、スタッフの方々もいくばくかはいると思う。そんな人たちが、ひどいめにあわずに、少しでも幸せであってほしいと思う。生徒さんを心から応援して通っているファンの方々も、ひどいめにあわずに、少しでも幸せであってほしいと思う。

…虐げられてる生徒さんを応援するっていうこの手の心理、昔からよくある、これまた幻想かもしれない立ち位置ではあるけど、そこしか着地点はない、かも…自分の中で。

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