SSブログ

東京原子核クラブ(本多劇場 1/16 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

マキノノゾミの出世作、東京国際フォーラムこけらおとしだったそうです。
(え、どのホールなんだろう。メインのとこだと広すぎる気が)

戦前の下宿屋さんの群像劇。
主人公は理化学研究所で原子核の研究をしているという、水田航生。
(上司の西田さんは、原子爆弾の開発をしていた仁科芳雄がモデル)

わちゃくちゃと楽しい日々、でありながら、
それぞれの立場と世相がきちんと描かれてて、
しみじみ、いい作品でした。

下宿屋をきりもりするお嬢さんは、化学をやってたけど、
理研には女性は就職できなかったんですって。
戦前、大学に行けた女性はすごく少なかったはず。
なのに就職はできないのか…。

ダンスホールのピアノ弾き、ダンスホールが閉鎖されたあとは満州の慰問団に。
プロレタリア演劇の作家で、特高につかまっちゃう人は、戦後は逆に大人気になったり。
下宿屋のお嬢さんといい感じになるけど、結婚はしない軍人さん。

そして謎の女が、きりやん!
レビューダンサーだったり、富豪と結婚したり、突然修道女になったり。
ちょこちょこっと出てきては笑いを取っていて、
もうかわいいのなんのって。
まるで『ガイズ&ドールズ』のアデレイドなんだよー!
アデレイドがまた見られるなんて!
男役の場面もあって、めちゃウケてましたが、本職ですからー。
きりやん、何かで「笑っちゃうほどかっこいい」っていう表現をしてた。
まさにそれだよー。

物語のクライマックスは1幕も2幕も、大村わたる(柿喰う客!)演じる、
東大の野球部…? という学生…?
「聖なる愚者」という位置づけなんだろうな。

仁科の研究が背景にあるからには、当然、原爆が大きな要素なわけです。

市井の人々は、
ある人は、生きるのに必死で、政治のことなんか口にしない、
ある人は、戦場に行っても死にそうになったら絶対に逃げよう、と思い、
ある人は、日本がすごい兵器を開発することを心から願い、
そして科学者は、原子核に魅せられすぎて、原子爆弾投下のニュースに、
死んだ人のことよりもまず、「先を越された」と思ってしまう。

けっこう重い話なのだ。
同じような局面になったら、私たちには何ができるのだろう。

DVDを買いたい。


ところで、元の開演時間は18:00だったの。
1時間繰り上げ。
終演は20時。
お店、どこもやってない!!
家に帰ったらけっこう夜遅い。困った。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。