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ゲルニカ(パルコ劇場 9/26 13:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

重すぎて感想を後回しにしていたことに、今頃気づいた…

ゲルニカ、つまりあのピカソの絵で有名な、空爆にあった街です。

一般市民を含めた史上初の大規模空爆。
ほぼ全滅だったので、何人死んだかもわかっていないらしい。
(同じことを数か月後に日本も南京にやっている!)

貴族と教会が力を持っていて、古い体制を維持しようと必死になっているけど、
庶民は「自由」を求めて戦い始めている時代。

主人公は領主の一人娘、「いだてん」で前畑秀子をやってた上白石萌歌。
上手いわけじゃないんだけど生命力と華がある。
(じつは彼女は、領主が召使いに産ませた子ということが後でわかったり)
どの街に空爆をするか判断するためのスパイとしてやってきた男と恋に落ちる。
でも彼もユダヤ人で、家族を人質にとられているわけで。

領主の妻のキムラ緑子が狂気じみていて、最終的に空爆に手を貸してしまう重要な役。
それを操る牧師や、
おだやかに生きていきたい、でももう召使いは嫌だと思っている料理人や、
とにかく戦いたい人民戦線軍(柿喰う客の玉置)や、素朴な若者や。

いろんな人がいて、それぞれ良い行いもあれば、後ろめたいこともあり、
必死に生きていたんだよねえ。
ポスターのみんなの笑顔はそのことをあらわしているんだろう。

外から見る人に、ジャーナリストのチギちゃん、透明感があってぴったり。
それから「いだてん」の美川くん。えっと、勝地涼。
こちらもなかなか斜に構えていて良かった。

いろんな人生が交錯して、主人公は出産するんだけれども、
その日に空爆が行われる。
その表現がすごいんだ。
ゲルニカといえば空爆で、あの有名な絵もあるから、
一体どうやって表現するんだろうと思っていたけど。
緞帳が…ああ、映像があるだろうから、ネタバレは避けよう。
こんな空爆の表現があるんだ、と驚いた。

主人公は赤ん坊を抱いたまま死んでしまうのだけれども、
チギちゃんがその赤ん坊(とおぼしき物体)を取り上げる。
生きているのかな、死んでいるのかな。わざとわからないようにしてる?
でも台詞で、「この子の名前をエスポワール(多分)と名付ける」と言ってた。
つまり希望。
じゃあ生きているのかな。

空爆以外でも、二人が恋に落ちる場面とか、
シンプルな舞台装置を使った演出が面白かったし、
そもそもの脚本が素晴らしかった。長田育恵さん、覚えておこう。

映像でまた観たい。きついけど。

ちなみに、新しいパルコ劇場はスタイリッシュで、
でも黒と赤の色合いや、劇場の中の距離感は昔とそれほど変わらず、安心。



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