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夢現無双/クルンテープ 天使の都(東京宝塚劇場 5/23 18:30) [観劇メモ]

宮本武蔵の成長物語なんだろうけれども、
どうすれば成長なのか、今成長してるのかどうか、が
わからない。
エピソードのつぎはぎが続くだけ。

なんとか考えてみるに、
内なる暴力性をどうコントロールして武道の高みに近づけるか、
ということが成長なのかもしれない(原作読めばわかるのかな)。

でも、その暴力性ってのが、宝塚にはなじまない気がする。
宝塚では、軍人さんとかお侍とかしょっちゅう出てくるけど、
愛のためにとか美学のためにとか詭弁を弄して、
なんとか暴力性を隠すことが多い。

サイトー君はかつて巌流で宮本武蔵を描いたけど、
あのときは、佐々木小次郎が主人公で敗者の美学がテーマだったから、
気にならなかった。

正直、内面に一番変化があって主人公ぽいのは、
幼馴染で、佐々木小次郎を偽る青年じゃん。

あと、せっかくのチャンバラものなのに、立ち回りがダメダメだった。

…なんと、たまきちが腰を痛めていたとか。
そうか~。怪我人も多いし、働かせすぎなんだよ、宝塚。

美園さくらは歌がうまくて声がいいが、芝居が浮いている。

みやるり最後なのに内面があまりない役でもったいない。
でも、本当に美しく、主人公が追い求める相手として、びしっと決まってた。

清四郎は巌流の綺華れいが鮮烈だったので、
暁さんだと「あら、かわいらしい」ってなっちゃうね。頑張ってたけど。

相変わらず千海さんがうまい。

光月るうがすっかり重鎮ポジになっている。

月城さんの休演は残念だった。

代役にはいった、夏目雅子の姪、All for oneで王子様やってた子、
めちゃウマやん。見た目もいいし。

ショーは、タイをテーマにするのはきれいでエキゾチック。
たまきち&みやるりの紫色の場面が特に素敵だった。

でも、特定の国、特に欧米以外は、今時まずい面もある気がする。
タイ本国で上演禁止な『王様と私』をあんなに使うとは。

このモニョモニョした感じは、
日本も、欧米から下に見られて、
眼鏡で出っ歯の日本人、っていうイメージを映画や舞台で笑われてきたから。
そこまでいかなくても、オペラ『ミカド』とか、全然日本ちゃうやん、てのがいっぱいある。
にもかかわらず、欧米人と同じつもりで、
タイ人が見たら「ちゃうやん」「ひでえ」ってものを作ってる、
ってところ。

あれだ、「名誉白人」ってやつだ。
差別されてるのに、差別する側と同じに立って、新たな差別に加担する。

…そもそも宝塚が、欧米のレビューを輸入したものだもんね。
欧米ではアップデートされてるだろうけど、
日本でガラパゴス化して生き残ってるのが少女歌劇。

黒塗りショーも今後どうすべきか。
好きなんだけどねえ、黒塗り。

なんとなーく東南アジアとか、なんとなーくアフリカとかだったら
ええんかのう。架空の、想像上の国、みたいな感じで。。。


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