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カンパニー / BADDY-悪党は月からやって来る-(東京宝塚劇場 4/29 15:30) [観劇メモ]

公演始まってから、ショーの評判ばかり聞こえてきたから、
芝居はいまいちなんだろうな、と思ってました(笑)。

いろいろ批判はあるだろうけど、
自分的にはとにかく、メリハリがなさすぎた。

主人公が妻をなくして無為の日々を送っている、
というわりには、そういうエピソードがない。
むしろちゃんと人助けしたりしてる。
(同じ石田でも『長い春の果てに』だと、
酒浸りだったり女遊び激しかったりしたよねえ)

バレエ団への出向が左遷だ、
というわりには、落ち込んだり他人に揶揄される場面がない。
だから起承転結の「起」もないし「転」もないという。

肝心のバレエ作品がちゃんと上演されなかったことも肩すかし。
白鳥の湖の新解釈だということだが、
新解釈場面は無かったよね??

そして何より、
ヒロインが代役を無事務めるっていうのがすごく大きなことなのに、
全くその場面が無かった。

あと、アイドルがバレエの主役をやるっていう設定が、
さすがにちょっと無理があると思った。
せめて、子供の頃から習ってたってことにすればよかったのに。

あからさまなセクハラ台詞はなかったけど、
女子社員だけ制服とか、
随所に古い価値観が見え隠れするよね。

わかばちゃんのお嬢様役、いいはなむけだったね。
車いすになってからの毅然とした態度が「姫役者」の本領発揮だった。

---

で、ショーはものすごく挑戦的で面白かった!

ロケットが「怒り」なんて、はじめて見た。
従来のロケットは健康的な若さの発露って位置付けだけど、
怒りを発散なんて、いいねいいねー!
足を振り上げるのは確かに怒りに通じるし、
女性の足を商品として消費してきた男性に対する怒りともとれるじゃん。

怒りの対決がデュエットダンスなのも、新しい。
トップコンビが敵として対決するって、
『モンテクリスト伯』であったけど、
恋と同じく、激しい感情のぶつかりあいだから、アリだよねー。

大階段のフィナーレが、
最後の最後に、やっぱり…
とぐちゃぐちゃになるのも面白い。

いやー、うえくみ、攻めてるね~。

禁煙の国に来て、喫煙する悪党っていうのも、
今のなんでもがちがちな社会への批判で、いい。
(私はバリバリの嫌煙家だけど)

悪党にひかれつつ逮捕しようとするヒロイン。
宝塚にありがちな、「悪い男にひかれる」っていうパターンと上手く合致してる。
そう、宝塚の矛盾として、
「清く正しく」をうたう一方で、
悪ぽいものにあこがれるってのがあるじゃないですか。
少女の中の矛盾なわけだけど。
そこをうまく使っている。

ただ、ストーリー仕立てにしたのはいいけど、
肝心なところを台詞で言っちゃってるのが、中途半端。
お芝居としてなら、台詞が少なすぎるし、
ショーとしてなら、台詞に頼りすぎている。
台詞一切無し、で、できなかったものかのう。
やっぱりちょっと観念的なんだろうな。

…というわけで、似た傾向の(台詞に頼る、歴史好き)
我らがたっくんのショー初挑戦はどうだろうか~~ハラハラドキドキ。

生徒一人一人にいろんな通し役があるのは面白いよね。
オギーのショーを思い出す。
変な恰好でも、寒くならないのはセンスの良さ。

そうそう、案内役の、ノバボサで言うところのピエロ的な役。
妖精さん?
藤井ショーだと、往年のショーそのままという感じだし、
齋藤ショーだと、オタクが好きな女子像って感じだけど、
一番自然で好感が持てた。
(おかっぱの子はうえくみに似てるけど、元男役なのね)

銀行強盗の場面の斉藤恒芳の音楽も、オギーを思い出すな。

たまきちの格好が、どう見ても寅さんだった。(ほめている)

デュエットダンスの影ソロ誰かと思ったら、宇月さんだったのか~
ダンスも歌も、、本当にすごい人だったなあ。
わかばちゃんとの台詞無しのサイドストーリー、ときめいた。

…だから台詞無しでできるはずなんじゃないかなあ?


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