SSブログ

この熱き私の激情(銀河劇場 11/17 19:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

元娼婦で作家、34歳で自殺したカナダの女性ネリー・アルカンの作品から、
6人の女優と1人のダンサーが、散文的に表現する。

全くストーリーが無いので、
これは失敗かなーと思いながら見初めたんだけど、
なかなかどうして、意欲的で実験的な作品でした。

10個の箱(5列2行)、リビングやトイレや、寝室、いろんな部屋に
一人ずつ女優がいて(空き部屋もある)
手前はガラスで、そこに女性たちがはりつくように位置している。
娼婦としての「はり店」状態、もしくは標本。

部屋が、マグリットやバルデュスの絵のように、
普通なんだけどちょっと変、っていうのが素敵。

全員でしゃべる部分と、一人ずつの場面が交互にあり。
ダンサーはそれぞれの部屋を行き来して、
部屋の上から足だけ入れてきたり、
お父さん役になったりと、いろいろ絡むのも面白い。

6人の女優は全く相互に会わないわけ。
でも部屋同士でシンクロしてたりして。

「年を取ってはダメ」と老いにおびえる女性、
北極や宇宙にあこがれた子ども時代を思い出す女性、
自分が生まれる前に死んだ姉のことを語る女性(←きりやん)

一見、バラバラなようでいて、
でも、だんだん収斂してくる。
母親は男の子をほしかった。
父親は宗教的に厳格な人だった。
愛されない自分。
若くて男性に求められるうちだけ自分に価値があると感じられる。
でも、求められるその理由=セクシーであること、
すなわち、罪。

最後の部屋の女性は、もう死んでいるのかも。
最後の部屋担当の宮本裕子って人の語りが素敵だったな。

しかし、銀河劇場は広すぎたかも。
もう少し小さくて、猥雑な場所の激情のほうが合ってたかも。
でもセットに高さが必要だから難しいなあ。

ネリー・アルカンの映画もあるそうで、観たい
と思ったらもう終わってた。
小説を読んでみよう。



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。