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散歩する侵略者(シアタートラム 11/12 18:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

劇団イキウメの本公演を観るのは初めてです。

蜷川版の「太陽2068」を観て、前川知大ってすごいなと思い、
「奇ッ怪 其ノ参」も観ていて、いつかは本公演も観たいと思っていたところ、
テレビで「聖地X」をやっていて、これがもう、爆笑。そしてシュール。

「散歩」の追加公演が売り出されたタイミングだったので、早速ゲットしました。

予想以上にシンプルなセット。
そして、あまりに荒唐無稽な設定。

失踪した夫が、いろいろ不自然になっていて、
じつは、宇宙人になっていると言う。
散歩しながら出会った人から、いろいろな「概念」を収集して、
侵略の調査をしているという。
「概念」を教えてあげた人は、その「概念」を失う。

でも、リアリティがあるんですよねえ。
脚本も演者も上手いから、そうかそうかと思って観ちゃう。

ネットのインタビューなどで、この作品は、
ウルトラマンのとある怪獣から思いついたとのこと。
前川さんと私は3つ違いかな? 同世代だわああ。

「所有格」という概念を失った人が、
共産主義者になるとか、面白い。
(でもそこから反戦運動につながるのは、距離がありすぎな気も)

日本海側のある街という設定で、
隣国からのミサイルが…! という、
本筋とは関係ないように見える背景があるんだけど、
これは、「宇宙人の侵略」が「戦争」の比喩だということなのよね。
知らない間にひたひたと侵略されている、おぞましいもの。
初演が2005年で、今はさらにリアリティが増している。
(北朝鮮が、という意味よりも、
社会全体が戦争を是としつつあるという意味で!)

ラストどうするのかなと思ってたら、
ヒューマンな終わり方で驚いた。
(一応ネタバレ避ける)
希望のある終わり方。

しばらく、いろんなシーンを思い出して、しみじみします。


帰りにはDVDを買いました。
2016年版の「太陽」と、
チラシが素敵で観たいと思ったけど都合が合わなくて観れなかった
「地下室の手記」(イキウメの公演だったのですねえ~)。

「太陽」のラストは蜷川版と大違い。
前川さんと出演者のコメント音声があって、
発想としてはバンパイアものであると。なるほど。
演技とか、人の出入りとか、いろいろ工夫していることがわかる。
リアリティってのは、計算されたものなのだなあ。

「地下室の手記」はもう大爆笑。
ドストエフスキーすごい、前川知大すごい、安井順平すごい。

ほかのも観たいぞー。


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