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瑠璃色の刻(赤坂ACTシアター 5/15 13:00) [観劇メモ]

みやるり主演なので観ました。
登場した途端、重厚なビロードのような空気に包まれて、
おお、真ん中に立つとこんな感じか、いいねいいねと味わいました。
(新公主演は残念ながら見ていない)

しっかし、原田は相変わらず主人公が描けないのね。

いや、偉人伝紙芝居ばかりのこれまでと比べて、
サン・ジェルマン伯爵、ではなく、それになりすました男、その野心、
というテーマ自体は、すごくいいと思う。

でも、なぜそうしようと思ったか、
友達が辞めようって言っても、あえて自分だけ続けることにしたのか、
が、全然描かれていなくて、うーむ。
貧しかったから、という言葉だけでは伝わらない。
なりすますことではじめて人に認められる喜びを知ったとか、
病んでる方向か、野心強い方向か、どっちかで、
場面を入れてくれないと。

それとも、マリー・アントワネットが自分を信じてくれたってことで、
ラブが動機なのかな???
…というほど、さち花ねえさんのマリー・アントワネットが大きな扱いで、
宝塚ってこういうふうに突然、脇の人が大きな役やったりするのが
いいよねー、とうれしくなりました。

あと、ロベスピエールのトシちゃんがかっこよかった。
ダンサーなロベスピエール、
演説のときの腕の動きって大事ね!
アジられて、革命に参加する気満々になる。

お友達役が雪から異動してきた月城さん。
この方、お芝居上手いし声もいい。
二人の相性も良さそうで、
話のオチは、友情にクローズアップしそうになるので、
最初から、そこをテーマにする手もあったのになあ。

ヒロインはえっと、なんてったっけな(だんだん生徒さんの名前がわからない)
ヒロインらしい出番が少なくて気の毒。

とはいえ、ラスト二人で、ぽつぽつと芝居のセリフを言い合うシーン、
なんか不思議な色気があってよかった。(二人とも)

訛り台詞で笑いをとってたのは96期の夢奈瑠音、上手いよねえ。
…裁判記録を地裁に見に行ったときのメモメモ…
あんま名前あがってないよね…
と気にしてしまうんだよなあ。

ネッケル長官、輝月ゆうまくんが安定の髭。
サンジェルマン伯爵のお城? を模した大きならせん階段風のセットを、
歌いながら登るとセットが回る、という仕掛けがあって、
歌や存在感が負けずに力強くて良かったです。
あ、ロミジュリの大公閣下ぽいのか、その動き。

そうそう、そのセット、
正面から見ると、オギーの『ソロモンの指輪』に似ている。
あれは、まわってる途中で、極楽鳥がうじゃうじゃいるのが見えて、
ぞおおおっとしたけど、今回はそうでもない。
ただ、上でネッケルが歌って、下では民衆がうめいている、
っていうのなんかは、なかなか良かった。

些細なことだけど、
くるくる巻き毛を、ボリュームが出過ぎないように作ってたり、
みやるりの美意識がいろいろ反映されているんだろうなあ、と思った。
芝居のほうも、東上する前に変更したとか。
(それでこれということは、元はもっとひどかったってことか)
…めったにない主演なんだから、
もっといい作家でやってあげてほしかったよ。
って、そんなこと、しょっちゅうあるよね、宝塚。トホホ。


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