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戯作者銘々伝(紀伊国屋サザンシアター 6/7 13:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

山東京伝や式亭三馬といった戯作者たちと、版元蔦谷重三郎の魂が、三途の川?であれやこれや楽しく語り合うという趣向。

ちょっとおかみを揶揄しただけで禁固刑になる世の中。そんな中で「書く」ってどういうことなんだろう。おかみの言うこときいたら、書き続けることができる? それとも首をはねられること覚悟で書くべき? 「ちょっとした笑い」とか「一瞬の楽しみ」に、364日をかけてしまう人たち。

こういう話は好きです。

1幕は、それぞれの戯作者のエピソードが2〜3。この内容はとてもよくて、じわっときます。

でも、それをつなぐ、みんなで語り合っている「地」の部分が退屈。なんでだろう。割り台詞(で合ってる?)になってるからかな? それぞれがキャラクターとして語っているのではなく、「語り」をみんなでちょっとずつしゃべっている。なんとも古臭く感じるし、過去形で語るばかりなので臨場感がな く、置いていかれてしまう。

また、最初に語りだすのは蔦谷重三郎なんだけど、彼の内面にフォーカスするのは1幕最後だけなので、誰が主人公かわからない。いっそ、読売役を完全なナレーターにしてしまったほうがいいのでは。

2幕は、山東京伝と花火職人の話。こちらは現在形の話で、山東京伝が主人公と明確なので、ぐいぐい引き込まれた。花火があがる場面では、泣いた。 泣いたよ。

山東京伝の北村有起哉が素晴らしい。っていうか、ヒプノゴギアでこの人すごいなあって思ったんだった。とにかく声がいいし。自由自在に役として生きている。

お目当ての、柿食う客の玉置玲央。1幕ではたいした役がなくておや?と思っていたら、2幕の花火職人だったという。思いつめた感じがよかった。 (この日、夜はふみか茶だったわけですが、ふみかちゃんの顔を見ていて、ああ! と気づいた。玉置は、ふみかさまに顔の骨格が似てるんだ、そうか、そういうことか(笑))。

山路和弘さんはいろんな役をやっていて、七変化。おばあさん役がけっこう綺麗だった(笑)。タニ主演の『写楽』では蔦谷重三郎だったよね。

客席の年齢層が高くて驚いた。「こまつ座」のファンってことなのかな。

後から調べたら、井上ひさしの短編をつないで新たに作った作品とのこと。それでつぎはぎなんだなあ。役者さんはどの人も上手いので、ちょっともったいなかった。もう少し練り練りして、地の部分を無しにできなかっただろうか。
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