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ルパン三世―王妃の首飾りを追え!/ファンシー・ガイ!(東京宝塚劇場 3/3 18:30) [観劇メモ]

全然似てなくて寒いんじゃないかとか、タイムスリップってどうなのよとか予想してたんですが、なかなかどうして、面白かったです。次どうなるんだろう、と先へと引っ張る力があって、ちゃんとオチもついていて、楽しめました。

一番良かったのは、マリー・アントワネットが宮殿を抜け出して街に出て、自分を揶揄した芝居を観てしまうところ。そこで、未来から来た大泥棒が、 彼女に「自由」を教えるところ。

なんじゃそりゃー。荒唐無稽だけど、ときめいちゃうよ。

ソフィア・コッポラの映画しかり、マリー・アントワネットを少女として文学的に描くというスタイルがあるけれども、それを踏襲している。子どものまま結婚して日々葛藤している少女が成長する一瞬。それをもたらすのが、不思議な「王子様」であるという。(史実だとこのときのマリー・アントワネットは30歳ですが^^;)

早霧と咲妃のコンビは、いい意味で「少年少女」で、岩波の児童文学書から抜け出たような健全さと文学的な陰影があるから、この設定がいきる。(次が柴田作品、その次が上田久美子作品だなんて、ぴったりすぎて楽しみ。)

あと、ルパンという題材でひかれた一見さん向けに、「宝塚って言えばベルばらでしょ」ということでわっかのドレスを出しつつ、一方で、植爺ベルばらにうんざりしているヅカファン向けに、「原作のベルばらでおいしいのはこれでしょ」ということで首飾り事件の新解釈を見せる。上手いなあ。

で、わっかのドレスの場面であっても、音楽や動きはあくまでも、アニメのルパン三世を見ているような雰囲気になっているのも上手い。体裁はちゃん とルパン三世なのね。銭形が過去の世界でなじんでしまう、なんていうのも原作を理解しているからこそ。

最後の銀橋でみんな一列になって、首飾りが行ったり来たりするストップモーション的な場面も面白い。

大野雄二の曲を使えたのは大きかったねー。オリジナル曲もそれっぽくしていた。(ソロで何曲か、そりゃ大野雄二テイストじゃないだろう、というのはあったが)

それにしても、ジェンヌさんの二次元を三次元にする力はすごいね。最初こそ笑ってしまったけど、途中からは完全にそのキャラクターとして見れまし た。そもそも漫画のあの等身を生身でやったら、普通は「頭デカっ」ってなってしまうけど、ジェンヌさんはスタイルいいから漫画の中から抜け出してきたように見えるんだよね~。銭形だって、等身バランスだけみたらすごい足長いもんね。

強いて言うなら、峰不二子がセクシーすぎたか。いや、せしこはちゃんと漫画の通りにやっているのかも。峰不二子というキャラクター自体が、宝塚ではセクシーすぎるのかもしれない。



ショーは…場面場面がつぎはぎなのは昔からだから仕方ないにしても、タイトルと中身をちゃんと考えようよ、という。フランク・シナトラがちぎちゃんなんだよね? ありえなくない?(笑) なんで怖いファンタジー世界で花嫁さんと会ってるの? 「この場面はどういう場面なんだろー」と考えているうちに、ぶつっと場面が終わってしまう印象。色使いもひどかった…。

あっ、だいもんが「キャバレー」を歌って、ナチスの将校がいるキャバレーへ、という退廃的な場面は良かったな。(『カノン』でも、美術館の退廃的 な場面だけは良かった)



あとさー、彩風咲奈がかっこよかったんだけど。細くなってたし。次元が真剣にかっこよかったんだけど。老眼のせい? 老眼のせい? 前回のショー での銀橋渡り、せしこ相手に溜息まじりに歌ってたのも、じつはちょっといいなって思ってたんだよね…。何あの歌唱。ナチスの場面の女役もちゃんと女装で悪くなかったし。今までかっこいいと思っていなかっただけに、この変化はやばい。

がおりは銀橋渡りしなくなっちゃったのね。でもセンターでがっつりソロがあった。しかも「あきらめずに」とか「人生をおりない」とかいう歌詞。くさらずに頑張ってくれよー。がおりのダンス観るのが何よりの楽しみなんだから。小さい公演で大きな悪役とか来ないかねえ。

ともみんにはちょっとだけサヨナラっぽいソロあり。あとエトワール。場面を一個あげようよ。芝居巧者のほたても銭形との絡みだけではもったいな い。るりるりも目立つ場面なくてもったいない。ほたてもるりるりも、年配のができる将来が楽しみなジェンヌさんだったのになあ。


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ほっとけーき

こんばんは
楽しく拝見させていただいています

私の周りでも急に咲ちゃんがかっこよくなったと評判です。
パルムの僧院からでしょうか。
長身が映えて、えっ?いつの間にこんな役者さんに??と
感激しました。
雪組特有の品の良さもあり素敵な男役さんになりそうですね。
by ほっとけーき (2015-03-15 21:26) 

竜眼

ほっとけーきさま、コメントありがとうございました、遅くなってすみません!
パルムの僧院、映像でもまだ見ていないのですが、成長のきっかけかもしれないんですね。初の単独主演でしたっけ。はやく映像見なくちゃ。昔は「顔ぷくぷくしていてありえない」とか思っていたんですがねえ。ジェンヌさんは突然化けるから目が離せないですね。
by 竜眼 (2015-11-23 18:06) 

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