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ラストタイクーン/TAKARAZUKA夢眩

盆や銀橋の使い方がすごく上手い。例えば、デートから帰ってきたところ。銀橋でヒロインが歌ってると、家でDV彼氏が怒ってる盆が回って、車に乗った素敵な新彼があらわれて、銀橋の歌が終わるころには、新彼の車が家に着いて執事が出迎える場面転換。テクニシャンだなー。生田先生、大劇場デビューで頑張りました。

登場人物も、まあ、その場その場では感情も理解できる。

太田先生の音楽がとても素敵!

なのに話が全然頭に入って来ないのはなんでだろー。

主人公が破綻しているんだな。

ワンマンだけど、みんながついていきたくなる人。でも苦悩しているらしい。なんで? その場その場で悩みが違うみたいに見えるから、どういう人なのかわからない。

虚飾の世界はフィッツジェラルドの定番。その苦悩をテーマにすれぱよかったのに。ミナという虚ろ。映画という虚ろ。不倫場面でそんなことを匂わせていたし。

でもらんとむにはそういうのは似合わないよな。アサコやユウヒならわかるが。

大体、愛する仲間が同じ職場で二年も窓際だったのに気づかないんだ? おかしいやろー。

映画愛で労働争議が終わってしまうのも、意味不明。本来の要求は労働条件の改善のはずなのに、なんで最後に主人公がちょっと歌っただけで解決して、「もっとこきつかってくれ」なんて言うのか。原則としては休みは必要。それを、映画愛という精神論で片付けてしまうのは、特攻精神と一緒じゃないかい。(まあ、小林一三はアカが大嫌いだったから、いいのかもね(皮肉よ)。家族的経営はうまくいってるときはいいけど、いかなくなったら悲惨だよ(現状批判よ))

話戻して。原作が未完、大劇場デビュー、さよなら公演というのはあまりにもハードルが高すぎたのかな。生田先生にはこれまでの成果があるから期待しすぎちゃったなあ。次はお話作りに立ち返ったものが観たいです。

出演者に関しては、とにかく誰もが思うだろうが、みりおが若すぎる。歌上手いはずなのに、上手く聞こえないぐらいだ。彼にはおじさんの余裕というものがないのだな。らんとむには、ズボンにできるしわにすら余裕と色気がある。みりおのズボンにはしわがないの。まあ、二番手のうちにこういう役は必須だけど、それにしても持ち味が違いすぎました。一樹さんとかだったら、理解しやすかっただろうなあ。

ほかの方はまた。

ショーもとっちらかってて。ガチャガチャした音楽の場面が続くので、疲れてしまう。でも、後半のさよなら仕様には涙涙でした。

バケーションの場面のダメダメツアコンふみかがかわいすぎる(しかもラストにイケメンに変身)

銀狼の場面でのさおたさんがかっこよかったのと、花蝶しほちゃんの少年役がかわいかったのと、和海しょうのソロがよかったのと、、、あとはまた。
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コメント 4

えりか

 大好きな蘭とむさんの退団公演で、ストーリーは全く無視して蘭とむさんだけを見ているので、破綻した物語もハチャメチャともいえるショーも全く気にならないえりかです。 
 とは言っても労働組合の描き方は非常に問題だと思いました。労組の存在が悪いものである、労働者が権利を主張すること自体が悪いものというような印象を与える描き方になっているのは、問題ですよね。
 これだけブラック企業が問題になっている時に、一歩間違えるとタイクーンももちろんブレーディも、ブラック企業の経営者と同じってことになっているし。「会社のやり方などに反対している人の集まった任意の団体」と「労働組合」では社会的な意味や意義は大きく異なるのと思うんだけど。
 歌劇団の上層部はそのあたりを誰も問題だと思わなかったのかな?竜眼さんのおっしゃるように逆にあの描き方がそれが望ましいと思ったのかな?
 その上、興ざめなのは宝塚歌劇団が生徒さんが真面目で素直でそれでいて責任感の強いことの上にあぐらをかいて、舞台は自分のためでも会社のためでもなくお客様のためにあると言って、生徒さんたちに結果的に無理を強いている結果となっていることを連想させるし。
 あの部分で 阪急って会社のあり方がなんとなく透けてくるような気がしてしまったのは、私の考えすぎ??
 長文になってしまい申し訳ありませんでした。
by えりか (2014-03-11 19:19) 

竜眼

えりか様、コメントありがとうございます、まさにそれ! それ、私もすごく気になったんです。でもそれをいっぱい書いてたら、すごいアカの人みたいになっちゃったんで減らしたのでした^^;
労働組合、労使交渉という仕組みは、近代が到達した素晴らしいものだと思います。
だいもんのキャラは、原作にあるんだろう、当時のアメリカ人は本当に共産主義を恐れていたんだな、原作を変えられないんだな、と思って観ていたのですが、原作にはそんな人はいないとか!? 生田~~~(怒)
大体、ふじぴーが映画をバカにしていますが、当時のロシアでは、革命のために映画を積極的に利用していたはず。生田~~~(怒)
戦後の労働運動ブームの際に生徒たちの間でも労働組合を作ろうという動きがあり、劇団は対抗するために、リーダー格だった春日野八千代を理事に昇格して、運動を瓦解させたそうです(たしか、小林一三に、共産党入りを理由にやめさせられた作曲家須藤五郎の本にありました)。スターが理事になるのは、本来なら喜ばしいことなのに、それをそういう目的で使うところに、すでにこの組織の在り方が見えていますよね。
阪急阪神ホテルで過労死が起きましたが、タイムリーというか、、、。休みがほとんどなく、あったとしても記者会見だの撮影だのでつぶれてしまう生徒さんたちの体が本当に心配です。企業として本当にどうかと思います。
私も熱くなって長文になってしまいました^^; この件だけで記事を書こうと思います。えりか様のおかげでちょっと勇気が出ました。
by 竜眼 (2014-03-15 19:02) 

えりか

竜眼さま お返事ありがとうございました。初めて知ることばかりで大変興味深く読みました。
 詳細は知らないですが96期問題、今回のお芝居のことも含め、宝塚はすっきりしませんねぇ~。 蘭乃さんの退団のことなども彼女自身の問題というより、歌劇団としてのあり方が問われる出来事のように感じています。

 竜眼さんもお気づきかと思いますが、前作「愛と革命の詩」の中で、ある少女がひどい社会でいかに虐げられてきたかを歌い、それを受けてジェラール役の明日海さんがその少女に向かって「この少女が幸せに生きられる社会」にしようとか「この涙を忘れてはならない。不正を正し闘い抜く約束をしよう」と言う場面があります。
 なんと!この少女役が96期の生徒さんでした。いじめにあい退学に追い込まれた生徒さんに対しての言葉としてならいざ知らず、加害者の一人(加害の程度は人それぞれ違うとは思いますが)である96期生に向かって語りかける言葉で、私はすっかり白けてしまいました。
 もちろんお芝居の中とはいえ、この場面を観て逆の意味での宝塚歌劇団のなみなみならない覚悟のようなものを感じたのは私の考えずぎ?
 
 私の蘭寿さん歴は宙組からなのでホントに短いです。その頃は蘭寿さんの踊りや赤面させてもらえるあのウィンクにときめいていただけのライトなファンでした。観劇は、宝塚に限らず、基本的には舞台が面白ければそれでよいと思っています。
 でも観るようになってだんだん宝塚のことがわかってきて失望したり、呆れたり、ちょっと怒ってみたりが増えてきました。
 でも色々なことは、蘭寿さんの素晴らしさを知らしめるために起きていることだと思うになりました。皮肉をこめて言っているのではく、色々なことがなければ蘭寿さんの宝塚を愛する強い気持ち、芸へのひたむきさ、誠実さ、組子への優しさやそういったことを私のようなライトなファンはかいま見る機会はなかったと思うから。蘭寿さんは千秋楽では「こんなにも魅力的で、こんなにも苦しく、こんなにも幸せな場所はない」とおっしゃっていました。自分のひいきの魅力、ステップアップの過程、退団、多くの理不尽などなどをファンの方々はスターさんと共有して、一緒に喜び泣くのが宝塚なのかもしれないとも思いました。どんな状況下でも心を尽くして、花組を、仲間を、そして自分自身をも輝かせ、観ている人たちに幸せを届けようときた蘭寿さん。
 ファンの方がそのスターさんのファンだったことを誇りに思うとよく発言されますが、今回のことでその気持ちが実感出来ました。そういった幸せを運んできてくれた蘭寿さんに私も感謝です。
 
 もちろん理不尽さが望ましいわけもなく、誠実に頑張り、良い舞台のために貢献した人が報われ、一人一人の生徒さんにとって「幸せに生きられる」宝塚歌劇団になって欲しいと願っています。
 またまた長文で失礼しました。

by えりか (2014-03-24 08:31) 

竜眼

えりか様、お返事がすっかり遅くなってしまいました、すみません! あと一週間弱、蘭寿さんの男役姿を目に焼き付けていらっしゃることと思います。
「愛と革命の詩」のあの少女のソロからの流れは、私も心が寒くなっていました。おっしゃる通り、そういう面があるからこそ、頑張っている生徒さんやスタッフの方の健気さが際立つということはありますよね。封建的な苦しい世界で、清らかに努力し続けるのは、ふつうの生活をしている私たちからは想像もつかないほど大変なことなのでしょう。だからこそそんな方たちを応援したいと思います。
「歌劇」の蘭寿さん特集、蘭寿さんにささげる言葉の数々を読んで泣きました。えりか様、最後まで蘭寿さんと一緒に駆け抜けてください!
by 竜眼 (2014-05-06 11:29) 

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