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ロミジュリの乳母はうっかり八兵衛 [観劇メモ]

美城れんの乳母役で、初めて乳母という役に納得がいった!

(あ、ハマコのも納得いったんだった。ここでは、宝塚限定、ということで)

乳母って、うっかり八兵衛的な存在なのね。なるほどねー。

ロミオが、ジュリエットに託すために乳母に渡した薔薇を、乳母が自分宛だと勘違いするやりとり。美城れんの乳母は、ごくごく自然に笑いが起きてました。これまで、あの場面は、笑う場面なんだろうと理解しつつも、それほど笑いは起きてなかったと思います。

あそこで自然に笑いが起きるような、うっかりしてる、コメディ担当である役。それが乳母。

うっかり八兵衛的な役はたいてい、考えがすぐ変わるものです。もちろん、キャラ的には当然善人なんだけど、えらい人の言うことにちょっと左右されちゃったりするものです。(宝塚で言うと…ゾロでキタロウくんがやってたガルシアとか)

だから、ジュリエットの恋を応援していたくせに、途中で「やっぱりパリスと結婚したほうがいい」とか言い出すわけですよ。もちろん、恋が実ったほうが素敵だとわかっているけど、大変な思いをして恋を貫くというのは、うっかり八兵衛の価値観では、選択肢にない。特に、美城れんは表情でそのことを表していて、さすがのうまさでした。

乳母は、コメディエンヌがやらなくちゃならない役だったのです。だから、完全スター路線の生徒ではそこまで笑いを取れない。美穂圭子様もコメディの人ではないから、しっくりこなかった(美穂圭子様は道化のメイクでコメディを表そうとしていたけど、得意分野ではなかったために、歌の上手さだけが際立ってしまったという…)

そもそも、オペラや海外ミュージカルは、ソプラノとテノールの恋を、アルトとバスが邪魔をする、というふうに括られますが。もう一組、年配のカップルや、コミカルなカップルがいることもありますね。たとえば、『コパカバーナ』のマヤさんとじゅんちゃんがやった役なんか、年配カップルでコメディ担当ですよね。『ミーアンドマイガール』のジョン卿とマリアはコメディ要素は少ないけど、年配カップルですね。『ラ・カージュ・オ・フォール』の森久美子と今井清隆の夫婦もそう。

海外ミュージカルを宝塚に輸入する問題の一つが、ここにもあるわけです。役が少ない、娘役の役がない(しっかりした女性が多いから)、ということはわかっていたけど、年配の役、コメディ担当の役をどうするかって問題もあったという。特に年配の女性の役。ジョン卿を路線の生徒にやらせつつ、マリアは専科さんにやらせるとか、散々問題視されてましたけど。乳母もまた、同じ根っこを持った問題だったのですなあ。。。

私は、脇の生徒さんが好きなので、こうした役で、路線以外の生徒さんを使ってほしいです。花組でやるなら、初姫さあやちゃんとか、あ、もういないんだった(T T)、そしたらいっそ悠真倫さんでしょう、乳母は。ねえ。歌ウマでコメディできる人ですよ。

でもそうすると、ロミジュリみたいに二番手娘役の役がない作品は、路線の娘役が割りくっちゃうんだよねえ。。。娘役、女役、の概念自体の大問題にぶちあたっちゃいますね、ここから先は。


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