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演劇学会シンポジウムに潜入して思ったこと [ヅカ的近況]

会員ではないのですが、研究者の友人が「今年は音楽劇や宝塚がテーマだよ」と教えてくれたので、6/23のシンポジウムだけ参加してきました。小林公一理事長、井上理恵氏、川崎賢子氏が、それぞれ発表というほどではないが思うところを語って、その後トーク&質疑応答。

司会の鈴木国男氏いわく、2002年の演劇学会のテーマは「宝塚は演劇か?」だったそうで(そういえば聞いたことあるような気がする)、今やそれはとても失礼ですよね、と笑いを取ってました。

そうそう、そうです。10年ぐらい前は、宝塚に関する、スター本以外の本といったら、『宝塚戦略』(津金沢聡広)と、『宝塚―消費社会のスペクタクル―』(川崎賢子)、あとはクラシック音楽から見た『宝塚歌劇の変容と日本近代』(渡辺裕)と、かなり勘違いしている『踊る帝国主義』(ジェニファー・ロバートソン)ぐらいなものでしたよね。あとは『ユリイカ』の2001年の特集ぐらい?

それが今じゃ、いろんな論文が書かれていて、研究会なども開かれている。そもそも学問の世界が対象範囲を広げているということもあるのでしょう。私は聞けませんでしたが(ロングスリーパーに土日の午前中というのは存在しない)、プログラムにあった堀正旗研究、宇津秀男研究、紀元二千六百年の生徒の日記、映像に見る東京進出考…どれも面白そう! 論文にまとまるのが楽しみです。

そんな中、川崎氏が言っていた、宝塚のシステムにばかり注目しすぎたかもしれない、作品や技芸への批評もちゃんとしなければいけない、ということが印象的でした。「背中で魅せられる俳優を10人集めようと思ったら、宝塚でしか不可能」。たしかに宝塚のレベルは高い。「宝塚は演劇か」という問いが笑われるようになった今、宝塚を特殊ジャンルだからということではなく、演劇全体の中で捉えることができるのかもしれません。

井上氏の菊田一夫研究の話も面白かったです。装置の額縁は菊田が発明したんですって!?

理事長の言でヅカファン的に「へー」というのは、地上波での露出を強化したい、コアなファンだけでなく一般のライトな層にアピールしたい、と言っていたこと(ふーん……)。川崎氏が、地上波の露出は大変いいことだが、ビジュアル重視だと若けりゃいいということになるのでそれはやめてほしい、とナイスな突っ込みをしてました。

以上、宝塚の存続が飯の種とは全く関係ない、完全な外野の感想でした。
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コメント 2

hanihani

それは面白いね♪

鈴木国男先生って、たしかK女子大の教授とかでしたっけ?

なかなか面白そうな考察で私が大学生ならそこの研究室に入ったかもです(笑)

演劇学会シンポジウム、面白いですね。
ご報告感謝、感謝♪
by hanihani (2013-06-28 09:09) 

竜眼

そうそう、K女子大で行われた学会でした。
私も今ならその研究室で勉強します、hanihaniさんと同期で切磋琢磨しましょう!(笑)
by 竜眼 (2013-07-06 18:42) 

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