SSブログ

マイ・フェア・レディ(日生劇場 5/19 17:00) [観劇メモ(ヅカ以外)]

※霧矢さん回を観劇。

これって、熟年離婚のような話だったんだー。「出て行きます!」「俺のどこが不満なんだ、お前がわがままなんだ」「そういう無神経なところが嫌なのよ!!」みたいな。

映画は見ています。イギリスの階級差別に驚きつつも、楽しいナンバーと、二人の心の交流に暖かい気分になりました。

でも、これは舞台だからかな? 「心の交流」の熱さが、すごく胸に迫って、2幕はずっと引きこまれながら苦しい気持ちで観ていました。

ヒギンズ教授のように、他人の心に寄りそうことができない、やり方を知らない人って、いるよねー。ヒギンズ教授的に言えば、男ってやつはたいていそう! いやいや、統計的には男性に多いだろうけど、男女を問わずいるでしょう(一人の人の中にも、そういう部分てのはあるかもしれない)。で、そんな偏屈な輩でも、好きになってしまう人がいるのよねー。厄介なものだ。

階級差別とか、言葉の問題とか、現代の日本ではピンと来ないことはたくさんあるけど、この心の交流部分は、普遍なんだなあ。だから、50年も上演され続けているのかもね。

ほかにも、「上流になりたい」だけだったイライザが、人間の尊厳に気付いたということもすごいし、だけどどちらの階級にも属さないことで暮らしていけなくなってしまう怖ろしい仕組みもチラリと見えているし。案外、深い話なのだなあ。

以下、キャストについて。

きりやんは高音がかすれていたのが残念だけど(すごいソプラノのキーで、そもそも最近の元男役には不利なのでは)、キレのいいチャーミングなイライザちゃんでした。髪をアップにすると、那智わたる様を思わせる(って生で観たことないけど)。那智わたる様もイライザやってるんだね。まとびさんのイライザも観てみたいなあ。

しかしこれ、ヒギンズ役者が重要なんじゃね? ヒギンズ教授って、ふつーに考えたら嫌な奴でしょ。かなりの変人だし。それを、イライザが好きになってもおかしくない、と思わせて、最後の憔悴しきったナンバーで観客が同情するためには、相当愛嬌のある人でないといけないよね。でも一方で貴族らしさもなくちゃいけないし。歴代のヒギンズ教授を見ても、なかなか素敵そうな顔ぶれですな…石井一孝さんの観てみたかったなあ。で、寺脇ヒギンズはと~~っても可愛かったです。バトラーよりもこっちだな、やっぱり薫ちゃんは愛嬌の人だね。歌も前より上手くなってたような。

変人と言えば、フレディってすごい変人なのね。映画だと、可哀想な人ぐらいにしか思わなかったけど、いやはや、平方元基て名前しか知らなくて今回初めて観たけど、相当ぶっとんでて面白い。

もう一人の変人はイライザのお父さん。松尾貴史って歌えるのねー。さすが、笑いの間が上手い。

変人じゃないのは、ピアス夫人。寿ひずる様。これってわりと元ジェンヌ枠なのね。いーちゃんさんの、ニコリともしないのに温かみのある演技が素敵でしたわ~。

それから、変人に見えて変人じゃない、ヒギンズ教授のお母さんは江波杏子。お高い女性をさせたらピカイチ。お衣装もゴージャスでした。

最後に、最も良識ある? ピカリング大佐。田山涼成って、テレビではよく見かけるけど舞台ははじめておみかけ。出しゃばらず、でも締めるところは締めて、ほのぼのもさせてくれる。すごい上手いんじゃん? この役は歴代いろんなテイストの方がされているのねー。羽場裕一さんもやってるのかー(羽場さんは我が家では「ふみかちゃんに似てる人」)。

アンサンブルにみっぽーがいた! 小顔でチョー可愛かった! 七瀬りり子もいた。たいして太く見えなかった(笑)。やっぱり宝塚ってスタイル偏差値高すぎるんだね。

帰り道、しみじみ考えたんだけど、ピカリング大佐と結婚すればいいんじゃね? だってピカリング大佐は、貴族でお金持ちで、男性であの年で、しかも軍人なのに、下層階級の女性にも人権を認めてるんだよ、それってすごくね?? 
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:演劇

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。