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ジャン・ルイ・ファージョン 予習

「マリー・アントワネットの調香師 ジャン・ルイ・ファージョンの秘められた生涯」(エリザベット・ド・フェドー著 田村愛訳)をやっと読み終えました。

時系列に事実が書いてあるだけで、まるで長大なwikiを読んでいるような本。人間ドラマはほとんどありません。

が、当時の香水業界、王室や貴族の華やかな生活、革命でがらっと変わる市民の生活がかいま見れるのは、面白いです。

一瞬ドラマチックなのは、革命が起きて、でもまだアントワネットが逃亡していない時期、ファージョンが王妃に香水を届ける場面。思想的には共和国に賛成しているファージョンだけれども、友人、顧客として王妃に好感を持っている。。。身分を越えた友情! ベルばらの、アントワネットとオスカルの別れの場面のように、ドラマチックに演出することができそう。

しかもこの場面、ファージョンがアントワネットに依頼された男性用香水の残り香がする、という設定。ついさっきまで、ここにフェルゼン伯爵がいたのでは!? という。

アントワネットは逃亡のために化粧品をごっそり新調して、それがファージョンの製品だったとか、ヘアケア用品の商人が逃亡をチクったとかいうことも初めて知りました。ヅカファンなら、フランス革命の裏話というだけで面白く感じます。

さて、

ファージョンは、王室御用達でありながら、共和国制に賛成していた。

革命が進んで恐怖政治になったら、賛成できない。しかも、王室御用達だったことで逮捕。

無罪。

ここをどう処理するか。この本では「王室から稼いだお金を、共和国政府に寄付してました!」ということで、無罪放免になります。それは確かにそうだったんだろう。けどねえ…、それじゃあタカラヅカ的には美しくない。王妃様を騙してましたーってことになっちゃうじゃん。

これならどーだ。

宮廷では身分の低い平民だったし、革命後は贅沢者として批難される。いずれにしても主流派ではない。一体何が正しいことなのか。調香師にとって、唯一のよりどころは「美しい香り」! その美学は、身分と関係なく永遠不滅!

うん、タカラヅカっぽいぞ!

もうとっくに初日あいてるんですが、観劇の感想があまり聞こえてこないので、勝手に想像しております。

******

ところで。ファージョンがアントワネットのために作った、プチトリアノンをイメージした香水が復刻されていることを御存知でしょうか。proficeさんの調香セミナーで教えてもらったのですが、ファージョンの弟子が創設したリュバンという老舗パヒューマリーが、同じ処方で作っていたものを、2011年に復刻したのだそうです。

とても上品で、複雑な香りです。マリー・アントワネットというと、どうしても可愛らしく華やかで、フルーティフローラルをイメージしがちですが、かなり違います。薔薇が中心ですが、いろいろな花、ちょっとだけグリーン、パチョリやシナモンも入っていて、ベースのアンバーがしっかりしていて、ビロードのよう。ロココってこんなにゴージャスで格が高いんだなあ〜と。

proficeさんのレビュー→http://www.profice.jp/brand/l/lubin/black-jade.html

日本では売っていませんが、アメリカの通販サイトluckyscentでサンプルも注文できます。→http://www.luckyscent.com/shop/section/1/item/31214/brand/Lubin/Black_Jade.html

リュバンの創設者はPierre Francois Lubin。ピエールっていう役名は…ひろ香祐じゃん(笑)
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