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ル・ポァゾンがわかってきたかも [観劇メモ]

岡田敬二のショーは、最近のはとても眠くて退屈なんだけど、これは確かに悪くない。ような気がしてきた。

まず、主題歌がいいんだよね。ずっちゃっちゃっちゃーっていうリズムね。でも短調なの。これって何かを彷彿とさせるよなあ、とずっと思ってたんだけど、わかったぞ。80年代の歌謡曲、まだ歌番組が最後の輝きを放っていたころ、それも松田聖子じゃなくて中森明菜のあの暗さ! これに違いない!

アダムとイブの場面っていうんですか?、蘭とむが赤いスーツのとこね、あそこなんか思いっきりバブリーでいいよね〜。南佳孝みたいなフレーズも聴こえるし。ワクワクする〜。

だいもんのコミカルな歌の場面も、80年代の歌番組っぽい気がするし、総じて、80年代の香りなんじゃないかなあ。バブルに向かう勢いと、まだ昭和で泥くさい感じも残っている、そのはざまの文化の香りがします。

そもそもこのショーのテーマである媚薬=毒(セットにあるのは香水瓶)→ディオールのプワゾンだよね? プワゾンの発売は1985年。このショーの初演は1990年。時代の雰囲気がそのまま閉じ込められているのかもしれないなあ。

それと、一つの場面にバリエーションがある。っていうのかなあ、そこが充実しているように見える。最近の岡田敬二のショーだと、一つの場面がだらだらと続くけど、このショーは、マタドールの場面なら、まずアンダルシアの男女に囲まれてる場面→牛と戦う場面→光と影が対面する場面、と手をかえ品をかえ、になってる。アダムとイブの場面も、男役総踊り→蘭とむと娘役→男役女装、とバリエーションがある。これがいいのかも?

一方で、やっぱりどうしてもつまらないと思うのが、白馬に乗った王子様系の場面。蘭とむ白いお衣装のところです。あと、だいもんが白いスーツで歌いだすリストの「愛の夢」に続く場面。眠くなるんだよねえ。これこそが、白井鉄造の系譜なのかもしれないけど。それとも、やっぱりこれも80年代のイージーリスニング系ってことなのかな。

あと、最初にお題目を説明するのが耐えられない。「ダンディズム、それは…」とかね(これは伝統芸能にルーツがあるのかもしれないが)。はっちさんが巻き物で場面のタイトルを示すのも同じく(これはまさに、落語の横にある紙みたいだな)。しかも「愛の誘惑」「愛のロマンス」…どれも似たようなものばかりで意味がないじゃん。

ところで、ナルシス・ノワールも香水の名前だし、岡田敬二は香水好きなのかしら。


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ネリ

らんとむは王子キャラではないんですよね。。ジゴロキャラ?
まあそれが魅力なんですけども。

冒頭、順に主題歌を歌いついでいく場面で、両手を
かざして横歩きで脇にはけていくのが、なぜかすごく好きです。。
by ネリ (2011-11-05 13:22) 

竜眼

私もあの振り好きです!
じつは、鏡の前でやってみたことがある…(照)

らんとむは琥珀のときからジゴロですよねえ〜
アダムの場面は本量発揮!でたまりませんでした。
by 竜眼 (2011-11-10 22:18) 

桃

私も初演を観た時、あの振りやったやった!!~
by 桃 (2011-11-12 17:59) 

竜眼

やっぱり!! しかし、桃さん初演ご覧になってるんですね、うらやま〜。
by 竜眼 (2011-11-13 21:20) 

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