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「小さな花がひらいた」の原作「ちいさこべ」を読んだ [観劇メモ]

原作中の、花組のみなさまの年齢。

伊吉(ふみか)&兼六(ネコ) 60近い(おおー)
助二郎(はっちさん) 45
大六(だいもん) 31(だからあんなにリキ入ってんのね)
茂次(らんとむ) 23
正吉(あきら) 20(火事見物が好きなお調子者。宝塚版ではもっと年下設定だね)
くろ(みつる)、おりつ(らんちゃん) 18(同い年!!)
おゆう(じゅりあ) 17(え、らんちゃんより年下なの!?)
菊ニ(ふじぴー) 13(だが、11と偽っている。それはおりつをお母さんと慕っているから)
六(ななくら) 9
重吉(和海しょうくん) 9(ななくらと同い年!? ミカンを盗んじゃって騒ぎになる重要な役)
又(なみお) 8
梅(くみちゃん) 8(宝塚版では、もうちょっとお姉さんだよね)
伝次(がりん) 7
市(桜帆ゆかりちゃん) 6
あつ(ひめか) 4

…実年齢に近い人なんて、いるんだろーか(笑)

原作を読んで一番驚いたのは、おりつが、色黒で勝気なこと。らんちゃんの和風顔の可愛らしさのせいか、宝塚の娘役という枠のせいか、おりつという人物を、娘らしい健気さの具現のように思っていたんだけど、原作ではもっと、意固地な感じだった。そこがまた、魅力的なんだけど。

茂次も、けっこう頑固者って感じがした。これが江戸っ子なのかなー。いや、二人とも素敵なんですよ。でも、リアリティがある。宝塚の舞台では、こういう人物像が、もうちょっと定型的な「かっこいい」「かわいい」になるんだな、とあらためて思った。

おゆうも、まるで「たけくらべ」のみどり@姫川亜弓だし。だから、じゅりあが演じていてどうしてもつきまとう「この人、いつオーホッホッホって高笑いして豹変するんだろう」的な雰囲気は、決して間違ってない(笑)。生まれつき恵まれてるからそれがめちゃめちゃ嫌味になるっていうのは、それで正しい。

宝塚版には登場しないエピソードがけっこうある。

火事で、茂次の両親以外にも、職人が二人死んでる。この二人の葬式は出してるんです。なのに両親の葬式をあげないの。だから、おりつは怒ってるんだね。正直、現代人のわたくしは「葬式でそこまで怒るかなー」と思ったので、ちょっと納得した。

重吉(和海しょう)が、八百屋(茂次の幼なじみがやってる)でミカンを盗んだって騒ぎになるエピソード。茂次は「子どもにはそういう時期がある、俺たちだってやっただろ、でも警察に突き出されなかったのは、親がいたから。親がいないからって、この子だけ警察に突き出すのはおかしい」とかばって(もちろん謝罪して弁償する)、盗んだ子は反省する。今だったら「即警察呼びます」っての多いよね。でもそもそも、今は、浮浪児ってのが、存在しない! いろいろ整備されているだけに、「過ち」というのが見過ごされなくなっているのが、現代なんだろうね。良くも悪くも。まあ、削った理由はわかります。

あと、菊二(ふじぴー)がおりつのことを熱い視線で見ていて、おりつは「いやらしい目で見てる!」って思うエピソードもある。これは、すみれコードにひっかかるのでやめたんだね。じつは「お母さん」代わりにしたかった、という誤解だったんだけど。

でも素敵なのは、その相談を受けた茂次。最初のいやらしい目云々のときは、「そういうのは少年にはよくあることだ」と菊ニをかばいつつ、「でも何かあっちゃあまずい、気をつけなくちゃ」と自分が背負おうとする。誤解だったとわかって、いやらしいとか思った自分がいけないんだと自分を責めるおりつには、「若い娘が警戒するのは当たり前だ」とおりつを慰めるの。誰のことをも責めないの。素敵だわ。素敵すぎる。茂次のぶっきらぼうな態度は「枯れ枝を折るようなしゃべり方」と書かれてました。でもいいの、素敵だから。

(ちなみに、「お母さんと慕っている」という流れで、茂次が「本当のお母さんになればいい」=「俺の女房になれ」となって、お話が終わります。)

あとは、
・福田屋の主人は男の人! 久兵衛。宝塚では初演から女役だね。これは、おゆうを嫁入りさせたいと目論むのは、女親のほうが適切だから、ということなのかな。
・いぶ&かぐらの、町の「迷惑してますわ!」な女性たちは原作には出てこない。
・くろは、子ども扱いされてすねて、現場に来なくなっちゃう。
・茂次のお父さんは寝たきりだったので、それもあって火事から逃げ遅れた。
・おりつのお父さんもずっと寝たきりだった。みんな大変だね。。。
・福田屋が焼けなかったのは角地に立ってるし、土蔵が3つもあるし、前が堀割、隣が武家屋敷だから、かもしれないって。確かに、ちょっと不思議だったんだけど、火事ってそういうものなのかー。
・藤造(アーサー)は、焼けた「魚万」の責任者。
・ふみかはけっこう怖い。宝塚だと、「まあ、あいつはそういうやつだ」みたいに大きく見守ってる感じだけど。
・逃げたのはじっ平(新菜かほちゃん)、忠(ルナちゃん)ほか五人。菊ニは逃げてない。
・忠のあの大人びた口調は、柴田先生のオリジナル!

映画のDVDもゲット! 見るぞ〜。テレビドラマ版もあるらしい。いい作品だと、予習復習が楽しい! 

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福童

梅芸で観てきました。
イヤ~、蘭トムは青天似合いますね~!まるで地毛みたい・・・・
お侍より、こういう世話物のお兄さんが似合う。
蘭はなちゃんも意外にこういう町娘が似合うんだな~とビックリしました。
配役が発表される前は、福田屋の女将はじゅりあじゃないのかなと想像してたんでおゆうお嬢さまのじゅりあにも興味津々でしたが、上手く化けてましたね。
私がおゆうはこの人だろうと予想してた姫花はあっちゃんでしたが、コレ、彼女の当たり役になるかも知れませんね。
花組に桜一花以上の子役役者が誕生して嬉しいです~!
by 福童 (2011-10-26 12:29) 

竜眼

地毛!(笑)関西人なのに、江戸っ子が似合いますよね〜
蘭はなの町娘は私も、ほほうと思いました。
じゅりあの女将も素敵ですが、それはまた先々観れることを期待して…
そうか、一花ちゃんの子役専科は、姫花が継ぐのか!

by 竜眼 (2011-10-29 23:44) 

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