虞美人がやや眠い理由 [観劇メモ]
あらためて観ると、項羽と虞美人のヒーロー&ヒロイン然とした麗しいストーリーと、それ以外の部分が、あまりにも乖離した話だな、と。
根本的に、項羽の誠実さに無理があると思う。(いや、まとびさんの熱演にはいつも涙してますが)
死ぬときに「私は誰も裏切っていない、人の裏もかいていない」って言うけど、最初に殷通を殺したのは、思いっきり、裏をかいてるやろ。手を組みそうに見せて、殺してるんだから、それ、騙し討ちやろ。
かように、当時の武人ってのは騙してなんぼ、殺してなんぼでしょ。でも現代の感覚からすると悪い人ってことになっちゃうし、タカラヅカ的じゃない。だから、「戦うけど、騙さないならOK」ってことにしておく。まるでスポーツマンシップだ。スポーツマンシップで紀元前200年をやるから無理がある。
項羽をいい人にしようとすればするほど、ほかの登場人物の魅力を否定していることになっちゃうんだもん。
韓信の、裏をかきまくったすっごい技に感嘆したり、衛布のプライドの高さと寝返りっぷりにある種のかっこよさを感じたり、そういう楽しみ方があんまりできない。彼らに魅力を感じちゃうと、項羽がただのバカ正直なアホになってしまう。だから、そう思わないようにする。そしたら、項羽以外が総崩れでつまらない人になる。
騙し討ちをし合っている人たちは、みんな項羽と別の世界で生きてるみたいだ。しかも、価値観自体が否定されてる。せめて張良みたいに描きこまれていれば差が際立つけど、それ以外の人は描き込みが少なすぎる。
そもそも、2時間半でやるには、登場人物が多すぎるんだよね。「え? 今死んだの誰?」「あの人、なんのためにそんなことするの?」ついていくのに精いっぱい。本来は、誰もが王になれるかもしれない時代に、ぼこぼこと沸いて出た、面白い男たちの生きざまを堪能する話(司馬版なら文庫本3冊、横山版なら文庫本12冊かけてね^^;)それを、2時間半で項羽と虞美人のラブストーリーとセットにしようとするから、無理があるんだよなあ。
いっそ、原作や初演みたいに、虞美人と呂と桃娘に焦点を絞って、that’s 女の生きざま! にすればよかったのに。張良以下セリフほとんど無し、みたいな…。わああ、それじゃあ、組子ファンは許しませんわな。キムシンが組子それぞれにセリフを与えた、これは喜ばしいことなわけで。うー、ジレンマ。
せめて、誰と誰が敵か、を明確にすればよかったのかなあ? 2幕は劉邦VS項羽って構図が明らかだからまだ眠くないけど、1幕は、誰が誰と対立してるかよくわかんないのが、いけないのかなあ。強大な秦に対抗して、適当に手を結び合ってるってのは頭ではわかるけど、いかんせん秦が3人しか出てこないからなあ。
いろんな人に役があって、でもまとまりがあって、そのうえタカラヅカ的価値観にも合う芝居。ほんと難しいね。
::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::
そらち! そして、おじさん好きとしては、あずりん退団がショックだ…
根本的に、項羽の誠実さに無理があると思う。(いや、まとびさんの熱演にはいつも涙してますが)
死ぬときに「私は誰も裏切っていない、人の裏もかいていない」って言うけど、最初に殷通を殺したのは、思いっきり、裏をかいてるやろ。手を組みそうに見せて、殺してるんだから、それ、騙し討ちやろ。
かように、当時の武人ってのは騙してなんぼ、殺してなんぼでしょ。でも現代の感覚からすると悪い人ってことになっちゃうし、タカラヅカ的じゃない。だから、「戦うけど、騙さないならOK」ってことにしておく。まるでスポーツマンシップだ。スポーツマンシップで紀元前200年をやるから無理がある。
項羽をいい人にしようとすればするほど、ほかの登場人物の魅力を否定していることになっちゃうんだもん。
韓信の、裏をかきまくったすっごい技に感嘆したり、衛布のプライドの高さと寝返りっぷりにある種のかっこよさを感じたり、そういう楽しみ方があんまりできない。彼らに魅力を感じちゃうと、項羽がただのバカ正直なアホになってしまう。だから、そう思わないようにする。そしたら、項羽以外が総崩れでつまらない人になる。
騙し討ちをし合っている人たちは、みんな項羽と別の世界で生きてるみたいだ。しかも、価値観自体が否定されてる。せめて張良みたいに描きこまれていれば差が際立つけど、それ以外の人は描き込みが少なすぎる。
そもそも、2時間半でやるには、登場人物が多すぎるんだよね。「え? 今死んだの誰?」「あの人、なんのためにそんなことするの?」ついていくのに精いっぱい。本来は、誰もが王になれるかもしれない時代に、ぼこぼこと沸いて出た、面白い男たちの生きざまを堪能する話(司馬版なら文庫本3冊、横山版なら文庫本12冊かけてね^^;)それを、2時間半で項羽と虞美人のラブストーリーとセットにしようとするから、無理があるんだよなあ。
いっそ、原作や初演みたいに、虞美人と呂と桃娘に焦点を絞って、that’s 女の生きざま! にすればよかったのに。張良以下セリフほとんど無し、みたいな…。わああ、それじゃあ、組子ファンは許しませんわな。キムシンが組子それぞれにセリフを与えた、これは喜ばしいことなわけで。うー、ジレンマ。
せめて、誰と誰が敵か、を明確にすればよかったのかなあ? 2幕は劉邦VS項羽って構図が明らかだからまだ眠くないけど、1幕は、誰が誰と対立してるかよくわかんないのが、いけないのかなあ。強大な秦に対抗して、適当に手を結び合ってるってのは頭ではわかるけど、いかんせん秦が3人しか出てこないからなあ。
いろんな人に役があって、でもまとまりがあって、そのうえタカラヅカ的価値観にも合う芝居。ほんと難しいね。
::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::
そらち! そして、おじさん好きとしては、あずりん退団がショックだ…
色々と御説ごもっとも!という感じです。
あまりに空いているせいか昨日も総見なのにS席で哀しかったです。
みんな頑張ってはいるんだけど、あまりに話がとっちらかっていて
出演者も多すぎで感情移入とか出来ないうちにどんどん進んで・・・
三国志とか大きくでずに、もっと恋愛ものとかに狭めて公演すべきだったと思います。
キムシンの工夫よりも、ただ、たってる劉邦の軍隊とかに目がいき
「ああ、また人間大道具だよね」と感じてしまいました。
セットとか結構オシャレなんだけど・・・
そしてものすごく眠かったです。
ふみかさま、ちょっと気になるところがあるんだけど
あのニコニコ顔ってあの場面でいいのかなぁとか?
出待ちとか行っていますか?
by hanihani (2010-05-12 18:30)
キムシンには難しすぎる題材だったかと。。。
ニコニコ顔って、剣舞のとこですかぁ〜?
ムラで観たときは武人っぽい笑顔がツボだったんですが、
こっちで観たらニコニコになってて、
「ま、かわいいからいんだけどね」と思ってます^^;
連休と土日は、そこそこ出待ちしてますよー(いるだけだけど)
by 竜眼 (2010-05-12 21:29)