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Nine(テアトル銀座 12/12 17:30) [観劇メモ(ヅカ以外)]

原作映画、フェリーニの「8 1/2」で予習しておいたのだが、あの摩訶不思議でメリハリの全くない映画から、よくまあこんなふうに形になるものだと驚いた。

監督と女優たちが映画を撮るメタ構造、がさらに映画を撮ることになってもう一段階メタになってるのが面白い。監督が自分をモデルにすることに決めて、愛人が妻の役をやることで物語が転回。するんだけど、でもやっぱり全体的には不思議な雰囲気で。楽しい! てんじゃなく、ふーむ…って感じ。で、それが心地良い。

芸術家として追いつめられる様子、もうアイディアが枯渇したかもという恐怖、最後は私生活を切り売りするしかない、ってのは、普遍的な話だよね。あと、カトリックの厳しい学校に通っていて、妻以外の女は悪魔だと教えられるけど、海辺のホームレスの女に性的に惹かれる少年時代も、わからんではない。女をとっかえひっかえするのは、親や学校からの抑圧に対する反動。でも、主人公モテモテだからねえ。ヤツに感情移入する人は少ないかも。妻や愛人やミューズが「なんで私だけを、私自身を愛してくれないのよ、あんたは自分の幻想の中にいるだけでしょ」って怒ってるほうに感情移入するかなあ。

主役の松岡充は前(タイタニック初演)より、「演技」するようになってた。なんか小動物みたいでかわいいよね。ミューズ役のかしげ(貴城けい)綺麗だな~、クラシカルな、ザ女優。新妻聖子を初めていいと思った。きちんとした妻の役。なんか、全体的にナイスなキャスティングなんだと思う。愛人役のシルビア・グラブはなぜか、らんとむ(蘭寿とむ)に見えてセクシーシーンで笑ってしまった。今陽子のお母さんは見慣れてるけど、今回はちょっと厳しい役なのが合っててよかった。海辺の娼婦役、浦島りんこはさすがやね。入絵加奈子の役は小さめでもったいない。樹里ぴょん(樹里咲穂)はナレーター的存在。前髪パッツンだから最初リカちゃん(紫吹淳)かと思ったよ。リカちゃんはプロデューサー役なのになぜミニスカ? と思ったらなんと、勘違い白玉さんキャラだった! 客席いじりもあり。やっぱりリカちゃん、おこがましいけどツレちゃん(鳳蘭)路線目指したほうがいいかも。いーちゃんさん(寿ひずる)の低音大好き。リカちゃんとの並びはマジときめく。子役がきれいなボーイソプラノでかわいかった。けど、あのセクシーなシーンの意味わかってるのかな?(笑)

今までのバージョンは女性9人じゃなかったんだね。タイトルの「9」は回想シーンでの主人公の年齢=9歳から来てるらしい。映画のタイトルのプラス1/2でもあるんだよね? きっと。でも、女性9人ってなんか象徴的でいいやん。全員がすごい女優さんたちで、満足。G2の演出でした。

あ、あと、開演アナウンスが面白かったw

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