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あごで受け止めて V.S. あごを引いて [観劇メモ]

残酷にも、「ビルが自分を諦めるよう、自分から仕向けなさい」とマリアに言われ、そうせざるを得ない境遇を理解できてしまうサリーが歌う「あごで受けなさい」。つらいことも、あごで受け止めて、ニヤリとして、スマイルするしかないよ、という負け惜しみが健気な歌ですが。

帝劇だと「あごを引いて」って歌詞だったんです。

ん?? 「受け止めて」だと、攻めの姿勢というか、積極的に「来いや」って感じだけど、「引いて」だと、守りの姿勢に受け取れます。

原詞はどうなんだろう…??

http://www.stlyrics.com/songs/m/meandmygirl26507.html
原詞はここを参照。

(英語圏だと、たいていの歌詞はネットに出てますよねえ。日本だと著作権法に引っ掛かるけど、向こうでは「フェアユース」(公共の用途なら転載してもOK)って考え方なのかなあ。)

原詩では「Take it on the chin」となっています。これ、熟語なんですね。しかも、ボクシングの用語なのだそうです。あごにパンチを受ける=思いがけなく敗北する、転じて、苦境に冷静に耐える。(http://jiten.cside3.jp/learning/learning_10.htm

ほほ〜。

なんで両想いなのに別れなくちゃならないのよう、という衝撃が、イコール、ボクシングで思いがけず大打撃をあごに受けてしまった、ってことなのか。そいでもって、「来いよ、こんなのへっちゃらだもん(くすん)」っていうニュアンスもそこにはあるんだ。へ〜。だとしたら、やっぱり「あごで受け止めて」のほうが、合うと思うなあ。「あごを引いて」は、負け惜しみ感はあるけど、大打撃をまだ受けてない感じがしちゃうもん。

…これ、ミーマイ界では常識!?

もっと日本語でピッタリした言葉があるといいけど、そうもいかないし。「あごで受け止めて」はけっこう、言いたいこと伝わると感じます。

ところで、この曲、1937年の初演にはなかったそうで。作曲家の別の作品から持ってきたそうです。でも、一番の泣かせどころだよね。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::
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コメント 2

hanihani

Take it on the chin に関して

さすがに竜眼さま~ とても面白い考察です。
で、私も調べてみたら、くすん・・・って感じよりももっと堂々としてるみたいな
イメージがあるみたい。
つまり『勇気を出して、自らの敗北を認め、そこから次のなにかを学ぶ』くらいまでの意味があることのようです。

で、やっぱり私もあごで受け止めてのほうがイメージわきやすいな♪

東宝のミーマイも「あ、ここ違うなぁ」なんてサラサラ流して観てないで
ちゃんと竜眼さんみたいにちょっと待てよ!と立ち止まって調べてみないと
いけないですね。
そういう意味では夜野さまもとっても含蓄のある言葉が多いし
うん、お二人についていくわ、私! 

by hanihani (2009-07-09 14:12) 

竜眼

「何かを学ぶ」! そこまで強い意志があるんですね。
健気な涙を想定しちゃうのは、私に日本人的ウェットさがあるのかも。
原詞には、わからない表現がたくさんあって…
語学の苦手な私にはハードル高いです〜
by 竜眼 (2009-07-13 21:59) 

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