男子校カフェに行った [近況]
70年代の少女漫画に登場するギムナジウムを想定した「男子校カフェ」があるとゆう。それは是非行かねばなるまい。『トーマの心臓』冒頭のような雪の日、男子二人&女子二人で行ってきました。→公式サイト:http://www.cafe-edelstein.com/top.html
場所は裏原宿。店内は男子校の応接室という設定で、客は学校関係者、生徒は学校関係者をもてなすことを命じられているという筋書き。来店が遅れたらそれは「遅刻」。店長(?)は「教員」。…なんだかまわりくどいのよね。でも、何かに似てるわよね。学校なのに商業演劇な、我々の好きなアレとね。
☆装置はちゃちく、店員はそこそこ
たどりついたのはビルの2階。えぇ〜、男子校なのにビルの2階かよ。その時点でもう設定の脆さがアリアリ。店内もちゃちい、ただのお店。メイド喫茶もそうだったけど、大道具にお金かけなさすぎだよね。しょせんは水物で、ブームがいつか去るだろうからと思って投資しないのだろうか。もっと、大正時代の洋館を買い上げるとかしてくれないと、豪華な装置に慣れているヅカファンは納得しません。ええ。
そして、美少年がわんさかいるわけではない。店員(もとい、生徒!)は5人ぐらいだったかな。そこそこの容姿だが、光輝くような美少年ではない。ゆかりちゃん(綺華れい)みたいな子がわんさかいたらどぉしよ〜、という期待はあっさり打ち砕かれる。やっぱりジェンヌは特別だ。ありゃフェアリーだものね。
☆本音は風俗、建前はカフェ
メイド喫茶はじめ、この手のカフェは言ってみれば「半風俗」だよね。Hするわけじゃなく、ただいるだけ。でも根底にはHな観点がある。極端に言えば欺瞞。「入校手続き」って、それただのポイントカードの交付じゃん! ポイントを貯めれば貸切ができたり生徒の指名ができるという。そりゃまるっきり風俗だ。「ヌードだけど女神像だから尊いんですと言い張ってた昔の美術」(同行女子いわく)と同じ。それが、妙なシステムのまわりくどさになってるんだよね。
ヅカの場合は、徹底して建前のほうを強固に作り上げてるから、建前に騙される人もいる。建前のほうしか見なくても成り立つ。でも、こういう業種では、そこまでのお金と伝統(=建前を強固にするだけの時間)は、なかなか持てないんだろうな。(……芸者さん遊びとかならあるのかな?)
☆でも演技は本気
一応カフェなので、何かオーダーしなければいけない。値段はさほど高くない。店員さん鑑賞ぶんの上乗せだと思えば納得の値段。本日のお夜食ポトフと紅茶を頼む。
写真はお料理のみ可とのことなので、せめてもの証拠に…。なかなかおいしかったです(量は少なめ)。
おしぼりを持ってきた生徒。まず奥の男子に渡そうとして、はっと気づいて、私に渡しなおす。「すみません、レディファーストにしなければいけないのでした!」(顔を赤らめつつ)え、えーーー、これって演技!? ネタ? だよねだよね? でも突っ込んでいいの? どうしたらいいの、これ!??
彼ら、かなり演技をしている。かなり本気。かなり楽しんでる。生徒は給仕の仕事がないときは、くつろいでいていいらしく、いきなり隣でトランプしたりギター弾いたりしだしちゃうの。多分、20代前半の俳優の卵とかなんでしょう。もし「○○って舞台に出てましたよね?」などと意地悪して聞いたとしても、その場では「課外授業で参加しました」とでも言いそうな感じ。ちゃんと芸名もあるらしく、雅な名前で呼び合ってるし。
☆「笑いを堪える90分」(同行男子いわく)
ちゃちい装置で、本気の演技。設定を通そうとすればするほど、それが芝居だってことが明らかになっちゃう。演技はなかなか上手だったが、全体としてはそらぞらしい芝居になってしまうわけで、そこを突っ込みたい。が、突っ込んではいけない。苦しいぃぃ。ひたすら笑いを堪えてたから、店を出た途端にみんなで爆笑してしまった。
そういえば、ヅカファンになる前にヅカを観てたときって、いつもこんな感じで笑ってたなあ、自分。今でも、スターさんがかっこつければつけるほど、笑っちゃうときってある。これってなんなんだろうなあ。ある種、バッタモン(ヅカはそもそもオペラと歌舞伎の融合だったから、本場のオペラが観られる今からしたらバッタモン的扱い)に対して脱力して笑っちゃうのと似てるかなあ??
しかも、我々も参加しなければならないのがまたつらいのよね。隣でじゃれあう男子生徒に、どう反応すればいいのか!? 舞台を観るだけならせいぜい拍手ぐらいだからいいんだけど、一緒に同じ舞台に立つってのは、どうしたらいいのかわからないよ。同行した女子が「シンデレラ城のお姉さんのテンションに戸惑ったことを思い出す」と言ってたけど、まさにそれだ。
☆コスプレ文化
なのに、他の客は驚くべきことに、みなくつろいでいるのだ! 我々のように笑いを堪えてなぞいないのだ! 本を読んだり、女同士でおしゃべりしたり。ちなみに、客層は20〜30代の女性。見事に女性だけ。そうそう、我々が入店したとき、ざざーっと一斉に視線が。男子二人イケメンだったからね(でも××だけど)。店員より勝ってたからね(でも××だけど)。
あとでブログ検索なぞすると、生徒さんとおしゃべりしたりしてもいいらしい。ということは、やっぱりお客さんも演技しなくちゃいけないってことだよね…。無理無理…。でも、くつろいでいたお客さんたちは、楽しんでそれができるんだろうな。
これは、コスプレできる人とできない人、の違いのような気がする。遊びだから、と割り切って楽しめる人と、我々みたいにどーしても笑ってしまう、開き直れない人と。この手の半風俗って、本物を遠くから眺めるよりも、バッタモンに一緒になって参加して楽しむコスプレ文化がまずありき、なんだろうなあ。
☆行儀のいい男子は現実には少ない
でも、帰宅して笑いが収まってみると、案外心地よかったかもしれない、という気も…。だって、男子が皆こぎれいだし。なんたって彼ら、男くさくないし。そのうえ行儀がよくて、女性に丁寧に接するんだもん。そういう男子って、現実には少数派じゃない? 職場を見渡しても、こぎれいで男くさくなくて行儀がよくて女性に丁寧な男子って、めちゃくちゃ少ないよ。男子校カフェって、女子(まあ、むさい男子が好きな人もいるだろうけど)が好む最低限の要素が、なんとかクリアできてる場所なのかも?
☆学校という幻想
それに、学校っていうのがいいのかも。メイド喫茶や執事喫茶は、設定上も「仕事に従事している」状態でしょ。でも学校の生徒は、行儀見習いで給仕しているだけで、本当は自由なのよっ。だから遊んでていいわけ。自分がこの人たちから搾取しているわけではなく、自分もこの人たちもお互いに自由でアマチュア。そっちのほうがくつろげるなあ。…ってヅカと一緒だよ。本当はお金とってるのに、建前は生徒であり、アマチュアであるという幻想。
また行ってもいいかも…? いや、でも、やっぱり笑いを堪えることになっちゃうだろうなあ…? どなたか、私も行ってみたい! という方、ご一緒しましょう。わたくし、入校許可証(つーかポイントカードね)持っておりますので。
メイド喫茶について→http://www009.upp.so-net.ne.jp/ft2/koutenteki-zukafun/essey/maid.html
::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::
期待してます!
by ハル (2008-02-07 13:16)
だだだ男子校カフェ!?
ワックワクして続きをお待ちしてまーす。
(そしてこれが初コメントとなる…笑)
by ウミボ (2008-02-07 15:09)
ハル様、いらせられませ〜。その節はお世話になりました(笑)是非今度のランチで感想を聞かせてくださーい。
ウミボ様、初コメントお待ちしてました^^。ゆかりちゃんはいなかったよ…。
by 竜眼 (2008-02-07 22:16)