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『ハレルヤ!』はミュージカルに対する偏見を打ち破れるか [観劇メモ(ヅカ以外)]

12/2は終演後にマキノノゾミと鈴木裕美のアフタートークがあった。ラッキー。そこで聞いた話やパンフをもとに考えたこと。

鈴木裕美が言う、ミュージカルに対しては「演劇村(笑)では作るのはおろか「好き」と言うのもはばかられる風潮」(パンフより)がある、という前提。「やっぱり」と思った。そういう雰囲気って確かにあるよね。私が昔ヅカに対して思っていたのも、そういうことなんだ。高尚なものと、そうでないもの、という区分。

だけど、構造的にはミュージカルと戯曲はじつはそんなに違わない、と鈴木裕美は言う。「ピーターパン」の演出を4年やる中で、「ミュージカルの譜面は戯曲と一緒だ」ということに気づいたそうだ。休符は台詞の間と同じだし、こう盛り上がってこう落とす、なんて構造はむしろコントの台本に近いと思うとのこと。そうでしょそうでしょ! 『キャバレー』で私が思ったことと同じでしょ〜。

なのに馬鹿にされるのはなぜなのかね?

1.うっとりするから。2.日本には歌舞音曲の伝統が少ないから(盆踊りとかはあっても、男女で組んで踊るってないっしょ)。というのが私の仮説2つなのですが。

特に「うっとりするから」ってのは、大きいと思う。タモリが笑っちゃうのも、そこだと思う。うれしくて歌いだす、楽しくて踊りだす。それって恥ずかしいよね? 笑っちゃうよね? かっこわるいよね? 陶酔するって、みっともないことだよね? 宗教も恥ずかしいし、恋愛も恥ずかしい。冷静であることこそが高尚だよね? パンフでマキノノゾミがミュージカルを観に行ってボロクソに言った過去が暴かれているのでありますが、
鈴木哲「ミュージカルを観に行った客席で、かなりなこと言ってたじゃないですか。」
マキノ「きっとあの観客の熱中ぶりが羨ましくて、何か口走ったんだな」

この熱中ぶりが豊崎由美言うところの「極右」なんだろうな。うっとりして拍手しまくれ、それについていけないやつはダメだ、みたいな。新興宗教的な。ヅカのスター崇拝とかってその最たるものだしね。

でも、ミュージカルって、うっとりするだけじゃないんだよー。うっとりしながらも、どこかで「ぷぷぷ」って思ってるよ。少なくとも私は。鈴木裕美はそれを「ばかっつらミュージカル」と呼ぶ。どこまで無駄なことやってんだ、っていう。このミュージカルはそこが強調されてるところが、たまらなく好きです。

「ミュージカルってバカが極まると思うんですよ。(略)あ、私の言う「バカ」は、人間の愛すべき部分のことを指しているんですが、その「バカ」が音楽の力で増幅して、ものすごいバカパワーが発揮される。(略)それはもう台詞だけの芝居では到底表現できないレベルだと思うんです。」(鈴木裕美 パンフより)

冷静なものだけが素晴らしいものなわけじゃない。うっとりしちゃう自分を自嘲しつつも愛すること、それもまた素晴らしいんだよ。うっとりを極右的に押し付けるのはやだけどね。うっとりでバカな自分を自嘲しつつ愛する、すごい上手いのに無駄なことやってる出演者を笑いながらも愛する、そんなミュージカルが「ハレルヤ!」なのだ。しかも、そんなミュージカルを、これまで馬鹿にしていた演劇村の人が作ったのだ。これはすごいことなのだ。だから応援したいのだ。

「ここ4、5年は手を出しても怒られない雰囲気になって来ますが」と、パンフにあった。『シカゴ』の影響かな? 最近、CMとかでもミュージカルっぽいの多いと思ってたけど、やっぱりそうなんだね。またこういうの絶対にやってほしい! 頼む!!



…んだけども、今回、銀河劇場は満席にはなっておりません。どうしてだろ。脚本と演出は有名な人だし、川平慈英も山路さんも有名。山路さんなんか、ファンクラブに入ろうかと血迷うぐらいかっこいいじゃんか。女性4人も芸達者として知られた人たち。育三郎くんも、お姉さんたちが大好きそう。なのにー、なーぜー。リピーター割引で1階7列ドセンてどうなのよ…(いや、うれしいんですが)。同じ劇場の『GILLE』なんか、先行予約で3階席なのに。

演劇村の人は「ミュージカル? はぁ!?」と思って来ないし、ミュージカルファンは「いかにもっていうミュージカルスターがいない」とか思っちゃうのかしら。やっぱ、ヅカOGみたいに、ファンクラブの人数をどっさり持ってる人を入れないといけないのかしら。ふぅ。

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