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MAHOROBA(東京宝塚劇場 10/11 18:30) [観劇メモ]

予備知識なしで行ったのだけれども、古事記をちょこちょこ思い出して、なんとかついていけた。寅さんが「島の始まりは淡路島」って言うのは、イザナギとイザナミのエピソードからだったんだね。そういやあ、ヤマトタケルは死んだら白い鳥になったんだったっけ。ふむふむ。

昭和30年代に高い評価を得た「民俗芸能シリーズ」をリスペクトしたという、郷土の踊りは4か所。たしかに、面白い振り付けで面白い衣装で、一斉に踊っているとそれなりに新鮮。

しかし、印象に残らないんだよなぁ~。群舞が多いからかなあ? なんかメリハリがないように思ってしまう。ナレーターがいちいち説明するのも、流れが分断されて、いまいち。

たぶん、今のメインである男役芸バリバリに慣れている目からすると、「キャー!」「わくわく~」みたいなものが感じられないから、つまらなく感じるのかもしれない。謝珠栄とアサコの対談番組で「みんなで一斉に一生懸命踊るのは、タカラヅカそのもの」と言っていて、たしかにそれはそうなんだけど、それだけでは満足できない身体になってしまったのよ、私たち。

渡辺武雄の民俗芸能シリーズって、昭和30年代当時どんな扱いだったのかな? 緑豆はかつてその白黒映像を見たとき「こんな地味なのやってるから客が入らなくなっちゃったんじゃない?」などと言っていた。そうかな~? それは今の目で見ているからなのかも? 案外、新しいもの、ものめずらしいものっていうノリだったかもしれない、とも思う。

今回のMAHOROBAは、日本ものでも、洋ものでもなくて、まるでファンタジー。ファンタジーを日本の過去や日本の地方に求めているところが、なんともねじれているんだけど。。。でもそういうものだよね、「日本発見」とかって企画そのものが。テイストとしては1970年代のディスカバージャパンみたいな。渡辺武雄のシリーズも、ひょっとしたら、ここではないどこか、見慣れてるけど新しいどこか、を見せるショーだったのかもしれない。

…そういえば、戦中の東宝の出し物でも、郷土の踊りを取り入れたのがあって、けっこうラテンのショーみたいな扱いだったと記憶している。それはむしろ植民地の踊りを紹介してるって可能性もあるかもしれん(川崎賢子の研究を待つ)。

あっ、それで思ったんだけど、津軽の場面で越リュウが「この土地に生きて、この土地に死ぬ」みたいに言うセリフは、ヤマトタケルの全国制覇は侵略なんじゃないかっていうニュアンスにとれた。つーか、そうとしか取れない。謝珠栄は中国系の人だし。おお、面白いぞ。全国各地に残る民俗芸能はそれぞれ土着の文化なんだけども、それを統べたヤマトタケルのことを、あまりにも時間が経った今の私たちは侵略者だとはあまりみなさない。でも地方地方に何かが残っている。じゃー民族の誇りって何よ、異文化って何よ、日本らしさって一体何なのよ。そういったものをすべてひっくるめて見せるってことでは、やはりなかなか画期的な試みなのではないでしょうか。

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