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夜叉ヶ池(ルテアトル銀座 10/2 19:00) [観劇メモ]

洪水が起きる! 客席まで水が来る! と本気で思った。空がピカっと光って、人々は逃げ惑い、スモークはもくもく、鐘が転がり、能の音楽(なんていうの?雅楽?←無知)がひょぉ~~と流れてくると、しずしずと異形のものたちがやってきて、気づいたらみんな水底に沈んでる…。うわ、鳥肌~!!

あー、すごかった。今でもゾクゾクする。人間の世界は普通の演劇で、魔物の世界は能でっていうの、ピッタリだった気がする。能楽劇ってどんなかと思ってたけど、こりゃヒットだわ!

能も狂言もナマで観たこと一度もないけど、勉強したら面白いのかも。…と言っても、能・狂言場面はついていくのにかーなーり難儀したんだけども。でも、男の人がやってるってわかってるのに、あのお面つけて長い髪のカツラで、びしぃっと動かれると、恋に悶えるお姫様なんだってことが実感できる。おひぃさまぁ、とひれ伏したくなる。不思議だねぇ。

お話はタイトルしか知らなかったけど、すっごくいい話なのね。なんたってラブ! ラブのためならなんでもする! それも、いやらしいオヤジたち、国のためとか言って自分の性欲を満足させたいオヤジたちに、ラブが真っ向から立ち向かうのだ。すってきー。ヅカファン的には最高。泉鏡花って恋愛至上主義なのね。それに、魔物との約束を守らない人間たちが、自然の力に滅ぼされてしまうって、人間の力ではどうにもならない何者かへの謙虚な姿勢が感じられて、厳かな気分になった。

それらを体現するワタルの男前なことと言ったら。登場場面こそ、着物の肩が細くて女性だってわかっちゃったけど、あとは男にしか見えなかった。いや、声は確かに高いけど、すでにあっちの世界に半分足突っ込んでる人だから、多少変でも気にならない(やっぱり元男役は魔物の役がいいってことか)。妻への視線の包容力ったらば。それに、なんたって立ち回りがすごい。鎌を振り回して、リアル男性をばっさばっさとなぎ倒す。倒される方々もすーっごく上手なんだろうな。殺陣はお馴染みの渥美先生と亀山先生。さぞ楽しかったことでしょう。って、「女優」なんだけど、いいのかな??(笑) こういう立ち位置もありかな、と(ファンじゃないせいか)単純に喜ばしく思いました。

友人役の小林十市が背も高すぎず、むさくるしくないのもちょうどよかった。この人、『エリザベス・レックス』で観たことあるんだけど、上手になってる…気がする…。落語家柳家花緑の兄弟なのか。どうりでバレリーノなのに発声がいいはずだ。(どうりで柳家花緑は落語家なのに男役ダンスが決まってるはずだ→宝塚BOYS)。牧瀬里穂も娘役ばりに可憐なたたずまいだしねぇ。あの顔の彫りの深さは、たしかにこんな村では浮いちゃうだろうなっていう(ほめてます)。あと、代議士役の人が、ちょー怖かったぁ。泉鏡花役の人のメガネっぷりがメガネ好きには◎でした。

(以下・メモ)
しかし、演劇部分も大正時代に書かれた台詞だし、能の台詞回しはまったく聞き慣れないし、で(一応ちょびっと予習しておいたはずなのに)若干、疑問点が残ったまま。。。プログラムに上演台本(原作と修辞を変えてあるそうです)がついていたので確認。その他突っ込みなど。

・百合は昔いけにえになった娘の生まれ変わりなんだよね?→全然違いました。ワタルの迫力で勝手に私がそう思っただけでした。
・あやめが咲いてるのに、梨が食べられるって、どういうこと? やっぱ魔界と境界接してるから季節感変なの?
・牧瀬里穂のソロがあった?→陰ソロが愛耀子とは!
・なんで最初は白いカツラなの?→結局わかりませーん。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::


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