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明智小五郎の事件簿ー黒蜥蜴 二回目 [観劇メモ]

やはり途中まではわくわくするのだ。嘘の賭け?本当のこと?退屈を楽しむ?退廃的で誇り高くて、でもまがいものでいかがわしくて。そもそもの題材が好きなんだろうけど。

でも、この空気、この伏線みたいに見える台詞たちがなんで「結婚」だの「じつは兄妹でした」だの陳腐な結末になっちゃうんだろう? ひょっとして、わざと? 嘘っぱち、まがいものがテーマで、だからこそ、最大級のつまらないフィクションをわざと組み入れたのか?うーん、高度すぎて全然伝わらないぞ?

と思って幕間にパンフでキムシンの挨拶をチェックしたらば。最初に思ったので合ってた…。まがいものがテーマなわけ、なかった。処女性を黒とかげに見出だしたと、それをつきつめていくとどうなるか乞うご期待、だと(要旨)。やっぱそうなんだ、少女の夢は結婚だと思ってるんだ、処女性を保つために理由がほしかったんだ(もしくは、少年少女をつきつめたら兄妹になるってことか。どっちにしても性から遠いという意味で結果は同じ)。トホホ…

去年の秋にみたターコさんので、どの場面が一番好きだったか思い出してみた。それは、船で黒蜥蜴が座っている椅子の中に明智が潜んでいたとわかる場面だ。椅子の布越しにふれあう二人、一番の敵なんだけど、一番に好き。でも、プライドがあるから、ヒモで縛って海に投げ捨ててしまう。なんとも官能的で緊張感のあるラブシーン(に見えた)。思えば、明智が潜んでいるっていうのは、観客には途中まで知らされていなかったんだよね。また、観客には、海に捨てられたのが明智だってことになってた。今回のキムシン版では、明智がクローゼットに入り込む場面が描かれているから、観客には明智が隠れてることが自明だし、また椅子が海に捨てられても観客には衝撃的じゃない。多分、そうしないと明智の比重が軽くなりすぎちゃうからなんだろう。黒蜥蜴だけが主人公になっちゃうからなんだろう。ヅカだから、やっぱりトップ男役の比重が一番高くないといけないんだろうなあ。

::::::::本家はコチラです→a posteriori takarazuka:::::::


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